トイプードルは日本で1番人気の犬種です。
賢く甘えん坊で、小型犬の中でも長生きしてくれます。お散歩中の歩く姿や、お迎えの時に見せてくれる笑顔は、本当に可愛いですよね。
今回は、そんなトイプードル達が健康で、長生きできるドッグフードを、罹りやすい疾患を挙げた上で何点かご紹介していきたいと思います。
トイ・プードルが罹りやすい病気
トイプードルの病気で特に多いのは、耳と目の病気です。
外耳炎
トイプードルは耳が垂れている犬種なので、耳が立っている犬種に比べて耳の中が蒸れやすく、汚れもたまりやすいです。湿度が高く水分が多いと、耳の皮膚が軟化しバリア機能が低下します。すると、常在菌であるマラセチアなどといった菌に感染し、痒みが出て爪で引っ掻きます。すると、柔らかくなっている皮膚を傷つけ、そこからまた感染や炎症が起こっていきます。
こうなると、耳が腫れて耳道が潰れてしまったり、耳の中が茶色や黒っぽい耳垢で汚れ、これがさらに耳の炎症や痒みを引き起こす悪循環に陥ります。
稀ではありますが、このような状態が続くと耳に腫瘍が形成され、最悪耳を切り落としたり、耳が聞こえなくなったりします。
流涙症
いわゆる涙やけです。病気なの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、流涙症という病気が引き起こすものになります。流涙症の原因は様々です。簡単にまとめると、涙が上手く流れない、涙が多い、涙が保持できない、の3つがあります。
上手く流れないのは、鼻涙管が詰まっていることが多く、本来鼻に抜ける涙が目に留まってしまい、溢れてしまいます。
涙が多いのは、逆さまつげになっていたり、アレルギー症状だったり、ぶどう膜炎や緑内障のように目が痛いために起こります。
涙が保持できないのは、目の周囲の筋肉が発達、もしくは老化したことにより起こります。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨の内側への脱臼は、小型犬に多く発症すると言われています。
症状としては、散歩中などにキャンと鳴いた後に片方の足を挙げたまま歩いたり(ケンケンのような感じ)、ふとした時に後ろ足を伸ばす動作をしたり、飼い主さんが聞こえるレベルで歩く際のコリコリとしたような音があります。あまりに痛いと今までのように動かなくなり、じっとしていることが多くなります。
この疾患には5段階のレベルがあり、レベルが低ければ痛み止めや動きを制限しながら経過観察ですが、高ければ手術になります。
レッグペルテス
これは1歳未満の子に起こる、遺伝性の病気です。両方の足に出て、足を引きずるような歩き方をします。この疾患はだんだん悪化し関節が変形した後、歩けなくなることがあります。獣医師と相談しながらになりますが、手術が推奨されています。
クッシング症候群
別名が副腎皮質機能更新症という、ホルモンの病気です。原因は甲状腺、もしくは副腎が腫瘍化することです。
症状は背中の毛や皮膚が薄くなったり、お腹が膨らんだり、尿量と飲水量が多くなります。また、ホルモンバランスが崩れることにより、免疫機能が低下し感染症にかかりやすくなったりもします。高脂血症、高血糖にもなり、肝臓に負担がかかるので、肝臓が壊れやすくなります。内服薬か、手術で治します。
他にも様々な病気はありますが、前述した病気の対策や、なってしまった後に積極的に摂取してほしい栄養素などが入ったフードがいくつかありますから、それらを紹介していきたいと思います。
トイ・プードルにあったドッグフードの選び方
必須脂肪酸と低アレルゲンフード
外耳炎や流涙症は炎症や皮膚のターンオーバーを促す必須脂肪酸がバランスよく含まれているフードがおすすめです。また、これらの症状はアレルギー反応によって引き起こされることも多いですから、食餌性アレルギーを引き起こさないためのフード選びも大切です。
体重管理と関節症に効果のある成分
脱臼に関しては、関節の健康を守るために関節にいいものが含まれたフードがおすすめです。レッグペルテスは遺伝病ですから防ぐことはできませんが、たとえば術後経過に良いものなどを選んであげることもいいでしょう。
関節症に効果が期待される成分としてグルコサミンやコンドロイチンといった成分が含まれるものがオススメです。
また、脱臼や形成不全などといった四肢の病気は、基本的に肥満が症状を悪化させたり、再発につながります。そのため、カロリーコントロールしやすいものや脂肪に変換されない材料を使っているフードを選ぶのが良いでしょう。
免疫力強化、低脂質・低糖質の機能性フード
トイ・プードルが罹りやすい病気であるクッシング症候群はホルモンバランスの乱れですから、食事で予防できるものではありません。治療法は手術か内服薬です。
ただし、本疾患では高脂血症、高血糖、肝臓の悪化、易感染性(病気に感染しやすい)の症状が出ます。治療中の食事内容を考えて、低脂質、低糖質、免疫機能を助けてくれる、などといった機能を持ったフードを選ぶのが良いでしょう。
おすすめのドッグフード
キアオラ 「カンガルー」
キアオラは動物の健康を願い、ニュージーランドの高品質な食材で作られたペットフードです。安全性を確かなものにするために、世界的な食品衛生管理の国際基準である「HACCP」に乗っ取って製造しています。
新奇タンパク質
主原料には高品質なカンガルー肉を使っています。カンガルーはアレルギーが出にくい食材の1つで、高タンパク・低脂肪・低コレステロールのという特徴も持っています。
まず、アレルギーが出にくいことですが、カンガルーは新奇タンパク質と呼ばれるタンパク質の1つであり、これは食物アレルギーが出にくいことが知られています。
カンガルーの肉は、“ルーミート”と呼ばれ、近年注目されています。論文によると、ルーミート中心の食生活をした糖尿病患者の血中コレステロール、体重、血糖値などが低下したそうです。
これらの特徴から、心臓にいいとも言われています。
必須脂肪酸
次に、鶏脂と亜麻仁油が原材料に入っていますが、これは必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸をバランスよく配合するためで、これらの必須脂肪酸は皮膚や被毛のタンパク質などに効果的です。
オメガ3脂肪酸は体内でDHAやEPAといった脂肪酸に変換されます。DHAは体内の免疫機能、脂肪燃焼、血管の健康、血液の凝集、脳細胞の活性化などに関わっており、このことからアレルギーや高血圧、皮膚炎などに効果があります。不足するとアレルギー症状が出やすくなります。
また、オメガ6脂肪酸は主に血中コレステロールを低下させる働きを持ち、高脂血症や心臓病に効果があります。
大きさに関しては、特に犬種によって分けているわけではありませんが、フード1粒の大きさが、あまり大きくなかったことから、小型犬のトイプードルでも食べられると考えられます。
ZIWI エアドライ「ベニソン」
ZIWIは、質の高いペットフードを与えるために、原材料の品質に力を注いでいるペットフード会社の1つです。
特に、本商品は製造方法が他のドッグフード会社と全く異なるエアドライ製法という方法で作成しています。エアドライ製法とは、一般的なドッグフードで行われる高温加熱加工を行わずに、エアドライ、つまり乾燥製法によってフードを形作ります。この作り方のおかげで、高温加熱によって損なわれる栄養素もフードに含ませることができます。
新奇タンパク質
また、本商品の主原料はベニソン(鹿肉)です。鹿肉は、新奇タンパク質と言われており、食物アレルギーを引き起こしにくいと言われています。また、鹿肉は高タンパク質、低脂肪、低コレステロールであり、さらにお肉であるにも関わらず、青魚に含まれるDHAも含まれています。
関節に効果があるとされる緑イ貝
次に本商品で注目したい原材料は緑イ貝です。緑イ貝は変形関節症をはじめとした、関節炎を抱えた犬に、炎症の抑制や痛みの軽減を目的に与えられます。これは論文で発表されており、緑イ貝を与えられた関節炎の犬は、与えられなかった関節炎のい犬に比べ、炎症や痛みを抑える薬を処方する量を減らすことができたそうです。
緑イ貝には必須アミノ酸、グルコン酸、オメガ3脂肪酸、ビタミン、ミネラルが含まれており、抗炎症・抗酸化作用、足腰の健康維持、皮膚・被毛の健康維持に効果があります。
また、緑イ貝の含んでいる成分である、ムコ多糖体グリコサミノグリカンは関節を保護することで知られています。
関節炎が発症している犬は、スマートな体型を維持すること、高タンパク質、低炭水化物、中〜高脂肪食、といった食事を心がけることが大切です。
本商品は、高タンパク質、低脂肪、低コレステロールの鹿肉をもとに、関節の炎症に効果的な緑イ貝などといった犬の健康にいい原材料を多く含んでいます。
また、大きさに関してですが、本書品は他の商品と異なりシード状なので、どの犬種においても食べにくいことはなく、また、トッピングやおやつとしても使えます。
以上のことから、本性品は膝蓋骨脱臼やレッグペルテスに対しては特に、それ以外にも外耳炎、涙やけにも効果がある商品と言えます。
ニュートロ ナチュラルチョイス 超小型犬〜小型犬 ラム&玄米
ニュートロは自然素材、栄養バランス、品質、美味しさにこだわっている、2026年に100周年を迎える大手ドッグフードメーカーです。
免疫力向上などに効果が期待できるラム肉
主原料は高品質なラム肉であり、ラム肉にはビタミンB12、亜鉛、カルニチンが多く含まれています。
まず、ビタミンB12は赤血球の生成やタンパク質の補給などにも関わります。特に“赤いビタミン”と呼ばれていることから、赤血球の成長に主に関与しています。赤血球は、全身に酸素を送る働きを持っています。そのため、ビタミンB12不足による成熟赤血球の不足は、貧血、運動不耐性(少しの運動で疲れてしまうこと)、脳へのダメージ(脳に酸素が運べない事によるもの)が起こる可能性があります。運動不耐性は、特に子犬の成長に影響を与える重要な因子になります。また、粘膜を強くする作用があることから、免疫機能にも重要な働きをします(腸は免疫の要です)。
次に亜鉛についてです。亜鉛は新陳代謝に関係しており、タンパク質の再合成や、細胞の新生を行っています。新陳代謝が日々起こっている皮膚や被毛に影響が出るので、脱毛や皮膚の乾燥や、それに伴うかゆみやフケに悩んでいる子には特に効果的です。また、免疫機能に対する働きもあります。
最後にカルニチンは犬の脂肪燃焼効果をはじめ、老化の予防、心筋機能の強化、脳神経機能のサポートをします。しかし、カルニチンは肝臓で合成されますから、肝臓が弱い場合は獣医師に相談してください。
皮膚・被毛の健康に有効な必須脂肪酸
ラム肉以外の特徴として、犬の皮膚・被毛の健康および、フードの消化吸収を考慮している点が挙げられます。皮膚・被毛については、必須脂肪酸をバランスよく配合することで皮膚・被毛の健康の維持の助けをしています。フードの消化・吸収については高い製造技術を使って、犬に必要な栄養素を効率よく、十分に吸収できるように作られています。
小型犬に最適なフードサイズ
本商品は、超小型犬〜小型犬、中型犬〜大型犬で商品を分けており、それぞれに合った大きさのフードを製造していることがわかります。口の小さいトイプードルでも上手に食べられるでしょう。
これらのことから、本商品は、肌や被毛の健康、免疫機能に対して高い効果があると考えられます。つまり、上記で挙げた病気の中では、外耳炎、涙やけ、クッシング症候群などに特にオススメできるフードであるといえます。
まとめ
今回挙げたフードは、どれも原材料の品質から製造方法に至るところまで徹底的にこだわり抜いています。そのため、酸化防止剤や人工添加物は一切入っていません。
どの商品も自信を持ってお勧めすることのできる商品なので、なんとなく気になったものを選んでいただいても問題ないでしょう。もし、味に飽きてしまったとしても、どの商品もたくさんの味が用意されていますから、色々と試してみるのもいいかと思います。
今回はトイプードルのかかりやすい疾患から、おすすめのドッグフードを挙げさせていただきましたが、フードはあくまでもサポートするものと思っていただきたいです。
特にトイプードルは遺伝性の疾患になりやすい犬種ですから、どんなに気をつけていても発症してしまうことはあります。それは飼い主さんのせいではなく、元々決まっていたことです、
ですから、愛情不足などと気負わないでください。簡単な予防になるかもしれない、という思いや、発症後のサポートとしての役割を果たすためのドッグフードです。
もちろん、外耳炎などは少しのケアで発症しなかったり、悪化を防げたりしますから、必要に合わせて獣医さんに相談し、無理のない程度でケアしてあげてくださいね。
犬は飼い主さんの笑顔が大好きで、笑顔が何よりの薬です。いつまでも一緒に笑顔でいられるように美味しく、健康の手助けのできるフードを与え、元気でいてくださいね。