犬暮らし

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ジャーマン・シェパードは飼いやすい?特徴や賢さ、罹りやすい病気などを徹底解説

執筆

今回は警察犬や軍用犬として世界で活躍するジャーマン・シェパードの特徴、飼いやすさ、散歩の量や頻度、罹りやすい病気、月の食事代などについてまとめました。

目次

ジャーマン・シェパードの特徴とは?

1850年代のヨーロッパで羊をオオカミなどの天敵から守るために、品種改良が行われてきました。
知性、運動能力、嗅覚など必要とされる能力の高い犬を選び交配させました。
ただ、その当時は地域などによって見た目や能力も異なり、現在のジャーマン ・シェパードは存在していませんでした。
その後、この犬種の統一化を行う取り組みが行われました。
1899年にはジャーマン・シェパード・ドッグ協会が設立されその最初の犬となった犬が現在のジャーマン ・シェパードとなりました。
ジャーマン ・シェパードは知性、忍耐力、運動力、服従度合いなどが大変高度で第一次世界大戦では軍用犬として活躍し、現在でも多くのジャーマン ・シェパードが警察犬などとして社会で活躍しています。
アメリカでは全犬種の中でもトップクラスに人気の高い犬種ですが、日本で見かけることはあまりありません。
一般社団法人ジャパンケネルクラブの日本における犬種別登録件数は600頭近くで137犬種中、第31位となっています
参考:https://www.jkc.or.jp/archives/enrollment/21072

サイズ 大型犬
体高 55~65cm程度
体重 22~40kg程度
毛色 ブラック&タン
原産地 ドイツ
寿命 10〜12歳程度
知能 とても賢い
吠え 吠えやすい

ジャーマン・シェパードは飼いやすい?

サイズが大きく、さらに筋肉量も多いため、たくさんの散歩量が必要で飼いづらいと感じる人が多いでしょう。

「怖い犬」というのは間違い

ジャーマン・シェパードは怖い、噛み付く、危険などと考えていらっしゃる方も多いと思いますが、知能の高く、信頼関係を結べば飼い主に従順でしつけしやすいです。警察犬、軍用犬として世界中で活躍している犬種ですので、飼い主がしっかりと時間をかけて正く育てることで最良のパートナーになってくれます。

人懐っこく、とても優しい犬種だが子犬時代は大変

人が大好きで、従順。また、他の犬とも仲良くできる優しい性格犬種です。
ただ、子犬の頃は遊びたい気持ちや好奇心が旺盛、やんちゃで興奮しやすい傾向にあります。
成長期を経て、1〜2歳ごろから落ち着きが出てくる子が多いです。

吠えやすいと思われているが、育て方次第

吠えやすい犬種ではありますが賢い犬種ですので、育て方次第で無駄吠えのない子に育ちます。
子犬の時に散歩や遊びを通して、飼い主以外の人間が危険でないことを認識させましょう。
また、子犬の時からドッグランなどで他の犬と遊ばせてあげることで、他の犬とも仲良くできる子に育ちます。

とても賢く、従順でしつけやすい

人間の社会でも多く活躍するジャーマン・シェパードはとても賢いため、しつけもしやすいです。
コロンビア大学の博士号を取得したスタンリー・コレン氏が発表した研究結果である犬の知能ランクによるとジャーマン・シェパードは141犬種の中で3位となっています。
詳しくは「賢い犬ランキング、総勢141犬種を紹介!犬の知能テスト方法も紹介します!」をご覧ください。

抜け毛はかなり多い

犬の被毛には以下の2種類あります。

  • 皮膚を守るための太くて硬い毛質のオーバーコート(上毛)
  • 体の皮膚に近い側にある綿毛のような体温調節を司るアンダーコート(下毛)

上記の二つを持つ犬をダブルコート、アンダーコートのない犬がシングルコートと呼ばれます。
犬の抜け毛は主にアンダーコートが抜けるためダブルコートの犬種は抜け毛が多い犬になります。
ジャーマン・シェパードはダブルコートなので抜け毛が多いです。
さらに体格も大きいこともあり、よく抜けます。

ブラッシングの頻度とは?

基本的に毎日必要です。
換毛期は小まめに行うといいでしょう。

必要な運動量はかなり多い

ジャーマン・シェパードは体格が大きいことに加え、筋肉量が多いため、たくさんの運動量を必要とします。
1日2回各60分程度の散歩が必要です。
ただ、ジャーマン・シェパードは関節の病気に罹りやすい犬種なので愛犬に合わせて適切な距離を探しましょう。

寿命がかなり短い

残念ながらジャーマン・シェパードは多くの犬種の中でも寿命がかなり短い犬種です。
死因は変性性脊髄症やガンによるものです。

ジャーマン・シェパードが罹りやすい病気とは?

ジャーマン・シェパードが罹りやすい病気には以下のようなものがあります。

変性性脊髄症

変性性脊髄症は脊椎が変形する病気で、遺伝子の変異のよって、タンパク質の凝集(細胞などに蓄積して塊になる)が引き起こされて脊髄の運動神経細胞が傷つけることによるものだとされています。
参考:https://www.jbc.org/article/S0021-9258(23)01826-4/fulltext

主に遺伝的な要因が多くジャーマン・シェパードは特に罹りやすい傾向があります。
後ろ足を引き摺るように歩いたり、ふらつきなどによって飼い主が気づきます。

成犬時に発症し、後ろ足の筋力が衰退していきます。
時間をかけてゆっくりと進行し、いずれ前足にも波及していきます。
起立困難、排便・排尿障害などが出てきます。
さらに首の脊髄までに病変が及ぶと呼吸する筋力がなくなってしまいなくなってしまいます。
治療法はありませんが、リハビリなどの理学的療法、体重管理、抗酸化作用をもつサプリメントの投与などで病気の進行を遅らせることができるとされています。

股関節形成不全

主に遺伝性の疾患で、股関節を形成している骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)と、大腿骨の噛み合わせが悪くなる病気です。
大型犬に多く、ジャーマン・シェパードにはよく見られる病気です。
症状としては・・・

  • 腰を左右に振りながら歩く
  • 足の動きが不自然
  • 散歩を嫌がる
  • 階段などの段差を嫌がる

・・・などがあります。
治療法は基本的には体重管理、抗炎症薬や鎮痛剤やサプリメントなどの投薬、レーザー療法などの保存療法を行います。
保存療法で改善が見られない場合は手術などの外科的治療となります。

肘関節形成不全

遺伝的な要因が高いとされ、股関節形成不全と同様にジャーマン・シェパードで多く見られる症状です。
成長期に発症することが多く、体の成長速度や運動量の増加などによって、関節の設置面の不具合により痛みが発生します。
放っておくと変形性関節症(骨関節炎)などを発症することがあるので注意が必要です。
治療法は基本的には体重管理、抗炎症薬や鎮痛剤やサプリメントなどの投薬になります。
保存療法で改善が見られない場合は手術などの外科的治療となります。

ガン(悪性腫瘍)

ジャーマン・シェパードなどの大型犬は小型犬と比べるとガンの罹患率が高いとされています。
人間同様にさまざまなガンに罹る可能性があります。
日頃からの老化、食生活、ストレス、運動をしっかりしていくことで予防になります。
特に運動不足から来る肥満はストレスや筋力低下による老化にもつながりますので注意が必要です。
治療法は抗がん剤、手術などの外科治療、放射線治療になります。

ジャーマン・シェパードのドッグフードの選び方とは?

ジャーマン・シェパードのドッグフードの選び方をまとめました。

大型犬に多い悩みである関節に配慮した成分

グルコサミンやコンドロイチンなどの関節に効果のある成分を含むドッグフードを選びましょう。
具体的には原材料に緑イ貝などが含まれるドッグフードがオススメです。

免疫力を高める食事

ガンの罹患率が多いジャーマン・シェパードには免疫力の維持・向上が予防になるかもしれません。
具体的な食材として以下です。

腸内環境を整える

免疫機能の多くは腸に集まっています。
そのため、腸内環境を維持することで免疫力の向上が期待できます。
乳酸菌、オリゴ糖などが含まれるドッグフードがおすすめです。

血液を健康な状態に保つ

DHA、EPAを多く含む青魚は、免疫力アップや血液を健康に保つ効果が期待でき、がんの予防につながるとされています。

皮膚と被毛を健康に役立つ成分

必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6が適度に含まれるフードがおすすめです。
これらの必須脂肪酸は皮膚の水分保持を助けてくれます。
また、天然由来の亜鉛やビタミンEなどもおすすめです。
亜鉛は被毛を構成するタンパク質であるケラチンの生成を助けます。
美しい被毛を維持するために一役買ってくれます。
ビタミンEは強力な抗酸化作用があります。

アレルギーケアに新奇タンパク質&グレインフリー

新奇タンパク質は愛犬が今までに食べたことがないタンパク質のことで免疫の過剰反応によるアレルギー反応がでづらいといった特徴があります。具体的な食材としては鹿肉、ラム肉、魚、カンガルー、ウサギなどです。

価格も大事

30キロくらいのジャーマン・シェパードになってくると月に必要なドッグフードは12kgほどになります。
そのため、価格のことも考慮する必要もあります。
大容量のパッケージを扱っているドッグフードだと内容のいいものを低価格で購入できるのでおすすめです。

サイズは中粒〜がおすすめ

まずは中粒サイズを与えてみましょう。
愛犬の様子を見ながら最適なサイズを見極めましょう。

ジャーマン・シェパードにオススメのドッグフードとは?

ジャーマン・シェパードの罹りやすい病気などを参考にドッグフードを選びました。

ACANA

プレミアムペットフードの定番、アカナです。
その中でもおすすめは、「パシフィカドッグ」「クラシック・レッドミートレシピ」です。

商品名おすすめ度価格(1kg)ショップ
アカナ(ACANA) 「パシフィカドッグ」
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アカナ「クラシック・レッドミートレシピ」
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筋肉量の多いジャーマン・シェパードに最適な高タンパク質

良質な動物性タンパク質がパシフィカドッグは70%以上(タンパク質35%以上)、クラシック・レッドミートレシピは50%以上(タンパク質29%以上)使用されています。
ジャーマン・シェパードの筋力維持に最適なタンパク質量です。

低アレルギー原材料

「パシフィカドッグ」は魚、「クラシック・レッドミートレシピ」はラム肉が第一主原料のドッグフードです。
いずれも低アレルゲンな原材料です。

クラシック・レッドミートレシピのメリット

「クラシック・レッドミートレシピ」に含まれるラム肉はビタミンB12、亜鉛などが含まれます。
ビタミンB12には細胞分裂を促進し、肌の新陳代謝を改善する働きがあります。
亜鉛はタンパク質の合成に関わり不足すると皮膚炎などのトラブルが起きやすくなります。
ジャーマン・シェパードの皮膚の健康を保つのに最適です。

パシフィカドッグ

「パシフィカドッグ」は天然ニシン、イワシ、カレイ、シルバーヘイク、メバルなどの魚肉が使用されていてグレインフリー(穀物不使用)。
必須脂肪酸であるオメガ3が豊富なため、美しい被毛と皮膚の健康維持を役立ってくれます。

Nutro ナチュラルチョイス ラム&玄米 13.5kg

ニュートロは自然素材、栄養バランス、品質、美味しさにこだわっている、2026年に100周年を迎える大手ドッグフードメーカーです。
豊富なラインナップの中でもおすすめはラム&玄米です。

商品名おすすめ度価格(1kg)ショップ
ナチュラルチョイス「ラム&玄米・ 中型~大型・成犬用」
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低価格&大容量パッケージ

ナチュラルチョイスは2kg、4kg、7.5kg、13.5kgと豊富なパッケージが用意されています。
amazonの場合だと2kgのパッケージは1,500円/kgを超えてしまいますが、13.5kgのパッケージになってくると1,100円/kgほどまで価格が下がってきます。フードの内容もよく、コスパ抜群のドッグフードです。

低アレルギー原材料

Nutro ナチュラルチョイス ラム&玄米は、第一主原料にアレルゲンになりづらい、ラム肉を使用しています。
玄米やオートミールなどがバランスよく含まれていて、消化吸収に配慮されています。

皮膚の健康維持

ラム肉はビタミンB12、亜鉛などが含まれます。
ビタミンB12には細胞分裂を促進し、肌の新陳代謝を改善する働きがあります。
亜鉛はタンパク質の合成に関わり不足すると皮膚炎などのトラブルが起きやすくなります。
また原材料の亜麻仁はオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)とオメガ6脂肪酸をバランスよく含むため、ジャーマン・シェパードの健康な皮膚の維持と美しい被毛を作り出すことに適しています。

関節のケアにグルコサミンとコンドロイチン

関節軟骨を強化するグルコサミン・コンドロイチンが含まれています。
関節の悩みの多いジャーマン・シェパードには最適です。

ジャーマン・シェパードの1ヶ月の食事代は?

ジャーマン・シェパードの1ヶ月の食事代は24,600円程度が目安です。
以下の条件で想定しました。

ドッグフードの価格 = 2,000円/1kg
ドッグフードのカロリー = 350kcal
犬の体重 = 30kg(標準体型)
犬の年齢 = 5歳(避妊・去勢済み)

1日に必要なカロリーは1436kcal、1日に必要なドッグフードは410g(月12.3kg)です。
必要なドッグフードの量は自動計算で簡単に確認できます。

※上記はあくまで参考値になり、ドッグフードの価格、おやつ、トッピングなどで変動します。

ドッグフードの評価一覧