さわやかな香りと酸味が特徴のレモン。
レモンは、インド原産のミカン科ミカン属の植物です。料理やスイーツに活用されているレモンは、ビタミンCが豊富で健康にも役立ちます。
そんなレモンは犬に与えてもよいのでしょうか。今回は、レモンについて詳しく紹介していきます。
目次
「レモン」は犬に食べさせてもいい?
答えは、「いいえ」です。
レモンはワンちゃんに与えないほうがよいでしょう。レモンの皮にはワンちゃんに有害な成分が含まれており、食べると中毒症状を引き起こす可能性があります。
本記事では、レモンがワンちゃんにとって危険な理由や、誤って食べてしまった場合の対処法などについてお話します。
「レモン」を犬に食べさせてはいけない理由とは?
「レモン」をワンちゃんに食べさせてはいけない理由を、以下で説明します。
精油成分による中毒
「レモン」の皮には、精油成分であるリモネンやリナロールが含まれています。リモネンやリナロールには、リラックス効果があるといわれています。
人にとっては有益となる精油成分ですが、ワンちゃんにとっては有害なので注意してください。「レモン」の精油成分によって、中毒症状や肝臓に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
ソラレンによる影響
「レモン」には、ソラレンが含まれています。ソラレンは、主に柑橘類の皮などに含まれるフラノクマリン類の化合物で、肌の新陳代謝を促進する効果が期待されています。しかし、ワンちゃんがソラレンを摂取すると、中毒症状が生じる可能性があります。
「レモン」の酸味による刺激
「レモン」独特の酸味は、食欲を刺激し、消化を助ける役割を果たします。また、清涼感があるので、暑い季節や疲れた時にリフレッシュ効果をもたらしてくれるでしょう。しかし、ワンちゃんにとって「レモン」の酸味は刺激が強く、消化器の不調を引き起こす可能性があります。
また、「レモン」にはクエン酸も豊富に含まれています。クエン酸は、疲労物質である乳酸を分解する役割を果たしており、疲れを和らげてくれるでしょう。ただし、クエン酸には胃酸分泌促進の作用があるため、ワンちゃんの消化器に負担がかかります。
「レモン」の皮による影響
「レモン」の皮は硬いため、ワンちゃんが食べると消化不良を引き起こす可能性があります。さらに、「レモン」の皮が腸内で詰まると、腸閉塞を引き起こす可能性もあります。
腸閉塞は、腸が詰まって食べ物が通らなくなる状態で、悪化すると命に関わることもあるので注意しましょう。
「レモン」を食べたことによる症状とは?
ワンちゃんが「レモン」を食べたことによる症状は、以下のとおりです。
消化器症状
「レモン」は、ワンちゃんにとって刺激が強く、強い酸味によって胃腸に大きな負担をかけます。その結果、食欲不振や嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状を引き起こす可能性があります。
また、消化器症状が長引くと、脱水や体重減少を招くこともあります。
神経症状
「レモン」に含まれる精油成分が体内に入ると、神経症状が生じることがあり、震えや歩行困難、無気力といった初期症状がみられます。さらに、発作や意識の混濁などの深刻な神経症状が生じることもあります。
命にかかわる可能性も高いので、「レモン」の精油成分には注意が必要です。
口腔内の炎症
「レモン」をワンちゃんが食べると、酸の刺激によって口や舌に炎症が起こる可能性があります。「レモン」の皮に含まれるソラレンによっても、皮膚や粘膜に炎症が生じる恐れがあります。
「レモン」を食べてしまった時の対処法とは?
ワンちゃんが「レモン」を食べてしまった時の対処法を以下で紹介するので、万が一の際は参考にしてください。
体調に変化があれば動物病院に相談
ワンちゃんが「レモン」を食べてしまった場合、まずは体調に変化がないか様子を見てあげてください。食欲不振や嘔吐、下痢などの消化器症状がみられる場合には動物病院に相談しましょう。
特に、小型犬や高齢のワンちゃん、持病のあるワンちゃんは、「レモン」による体調不良のリスクが高いため、注意が必要です。
神経症状がみられた場合はすぐに受診
「レモン」を食べてしまった後で、ワンちゃんに震えや歩行困難、脱力感などの神経症状がみられた場合は、すぐに動物病院を受診することが大切です。
神経症状は進行が早く、放置すると重篤な状態を招く可能性があるので、速やかな対応が必要です。
「レモン」の精油に注意
「レモン」の精油は、ワンちゃんにとって有害な成分が凝縮しているため、特に危険です。ワンちゃんが誤って口にしないように、ワンちゃんには届かない安全な場所に保管するようにしましょう。
「レモン」の果汁は薄めて与える
「レモン」の果実部分には、ワンちゃんにとっての有害成分は含まれていませんが、強い酸味はワンちゃんの消化器に悪影響を引き起こす可能性があります。
どうしてもワンちゃんに与える場合には、水で薄めた「レモン」の果汁を少量を与えるようにしてください。
基本的に、ワンちゃんは強い酸味を嫌がる傾向があるので、無理に与えないようにしましょう。