今回はセント・バーナードの特徴、飼いやすさ、散歩の量や頻度、罹りやすい病気、月の食事代などについてまとめました。
目次
セント・バーナードの特徴とは?
セント・バーナードはスイス原産の犬種で、同国を代表する国犬でもあります。
かつてはアルプスの遭難救助犬として活躍し200年間で推測2,000人もの遭難者たちを救出しました。
「アルプスの少女ハイジ」や「ベートーベン」などのモデルで、とても有名な犬種ですが日本で見かけることは稀です。
一般社団法人ジャパンケネルクラブの日本における犬種別登録件数はわずか173頭で134犬種中、第49位となっています。
参考:https://www.jkc.or.jp/archives/enrollment/24042
サイズ | 大型犬 |
体高 | 65〜75cm |
体重 | 54~90㎏ |
毛色 | ホワイト&ブラウン、ホワイト&イエローなど |
原産地 | スイス |
平均寿命 | 8~10歳程度 |
知能 | あまり賢くない |
吠え | 吠えにくい |
セント・バーナードは飼いやすい?
とても飼いにくい犬種です。
その理由は・・・
- 大きな体は日本で飼うには向かない
- 引っ張り強いためリードをコントロールする力が必要
- 日本の気候に合わない
- よだれがとても多い
・・・などがあります。
必要な散歩量はどのくらい?
超大型犬となるためとても多くの運動量が必要です。
散歩の時間は2回に分けて合計120分の散歩が必要です。
食欲旺盛でのんびり屋さんのセント・バーナードは運動不足になるとすぐに肥満に繋がります。
元々、体重が重いセント・バーナードは関節や骨に負担がかかるため肥満には注意が必要です。
ただ、子犬(成長期)の場合は激しい運動をすると発達中の関節を痛めてしまうことがありますので、距離や時間の調整、柔らかい芝生を歩かせるなど気を配る必要があります。
おおよそ12〜18ヶ月で体は成長が完了しますのでそれまでは愛犬の様子を見ながら適切な散歩量、強度を見極めましょう。
賢いですか?
あまり賢くない犬種とされています。
コロンビア大学の博士号を取得したスタンリー・コレン氏が発表した研究結果である犬の知能ランクによるとセント・バーナードは141犬種の中で123位となっています。
詳しくは「賢い犬ランキング、総勢141犬種を紹介!犬の知能テスト方法も紹介します!」をご覧ください。
どんな性格?
とても穏やかで家族への愛情が深い犬種です。
知らない人や、他に犬にも友好的です。
しつけやすいですか?
しつけにくいです。
穏やかな犬種ですが、しつけには頑固な一面があります。
人間を喜ばせたりすることにあまり興味を持たないことが多いため根気が必要です。
また、成長するにつれて体がとても大きくなるため、子犬のとき、できるだけ早めにしつけをスタートする必要があります。
吠えやすい?吠えにくい?
大型犬らしい穏やかな性格で吠えにくいです。
抜け毛は多い?少ない?
犬の被毛には以下の2種類あります。
- 皮膚を守るための太くて硬い毛質のオーバーコート(上毛)
- 体の皮膚に近い側にある綿毛のような体温調節を司るアンダーコート(下毛)
上記の二つを持つ犬をダブルコート、アンダーコートのない犬がシングルコートと呼ばれます。
犬の抜け毛は主にアンダーコートが抜けるためダブルコートの犬種は抜け毛が多い犬種になります。
セント・バーナードは極寒にも耐える分厚いアンダーコートを持つので抜け毛が特に多いです。
抜け毛は1年を通してありますが換毛期の春(5〜7月)と秋(9〜11月)は特に抜けます。
ブラッシングの頻度は?
基本的に毎日必要です。
換毛期の春(5〜7月)と秋(9〜11月)は特にこまめに行いましょう。
寒さに強い犬種
極寒のアルプスで避難救助犬として活躍していたこともあり寒さに強いです。
一方、暑さにはとても弱い犬種で、日本の夏の気候はとても厳しいでしょう。
寿命は8〜10年
セント・バーナードの寿命は多くの犬種の中でもとても短く8〜10年とされています。
一般的に大型犬や超大型犬は小型犬に比べると成長と老化のスピードが早いこと、また、超大型犬は命に関わる病気を患いやすいことにもあります。
セント・バーナードが罹りやすい病気とは?
セント・バーナードが罹りやすい病気には以下のようなものがあります。
胃拡張捻転
大型でよく見られ、命に関わる病気です。
これは胃の中にガスが溜まり、胃が過剰に膨らみ(胃拡張)、同時に捻れ(ねじれ)をおこす病気です。
それによって、胃が膨らむことにより周囲の血管は圧迫されるため、血流が遮断されます。
循環障害や急性ショック症状を引き起こします。
症状としては吐き気を催しますが、胃が捩れているため吐瀉物が出ない状態となります。
よだれを垂らしたり、苦しそうに呼吸をします。
呼吸困難や脈拍の低下などが見られ急速に悪化します。
数時間で死に至る場合もあり早急な処置が必要な病気です。
治療はまずは胃からガスを抜く必要があります。
口からチューブを入れる、もしくは腹部から胃に太い針を刺しガス抜きをします。
また、胃の捻れをととのえたり、予防として胃を体壁に固定する手術などが行われます。
予防法としては一度に大量の食事をさせない、早食いしないにする、高い台で食事をさせる、食後すぐの運動を控えることです。
股関節形成不全
主に遺伝性の疾患で、股関節を形成している骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)と、大腿骨の噛み合わせが悪くなる病気です。
症状としては・・・
- 腰を左右に振りながら歩く
- 足の動きが不自然
- 散歩を嫌がる
- 階段などの段差を嫌がる
・・・などがあります。
治療法は基本的には体重管理、抗炎症薬や鎮痛剤やサプリメントなどの投薬、レーザー療法などの保存療法を行います。
保存療法で改善が見られない場合は手術などの外科的治療となります。
皮膚疾患
セント・バーナードはダブルコートと言われる、太くて硬い毛質のオーバーコート(上毛)と綿毛のような毛質のアンダーコート(下毛)を持つ犬種です。アンダーコートは皮膚に熱と湿気を蓄えるため細菌の増殖など皮膚炎を起こしやすい環境を作ってしまいます。
また、セント・バーナードがアレルギーを起こしやすいことも要因の一つです。
皮膚炎の症状としては・・・・
- 身体を痒がる
- 皮膚が赤みを帯びる
- 毛が薄くまだらになる
・・・などです。
食物アレルギーとアトピー性皮膚炎(花粉やダニなど)などに気をつけることで予防が可能です。
外耳炎
セント・バーナードの豪華な被毛と大きく垂れ下がった耳は湿気や汚れが溜まりやすく、細菌が繁殖しやすい環境が整っています。
そのため、外耳炎などの耳の病気を多く発症してしまいます。
症状としては・・・・
- 首を振る
- 耳を足で掻く
- 匂いがきつい
- 耳垢が溜まっている
- 皮膚の赤みや炎症
予防法としてはとにかく耳を清潔に保つことです。
定期的な耳の掃除や炎症などがないかを確認しましょう。
動物病院での治療は点耳薬、洗浄などが主になります。
ひどい場合は抗菌薬の投薬などですが、再発しやすい病気なので日頃から清潔に保つことが必要です。
骨肉腫
骨肉腫は骨、軟骨に発生する悪性の腫瘍です。
初期症状はあまりみられませんが、体表の腫脹、または歩行不良などで気づくこともあります。
多くは四肢に発生します。
治療法は抗がん剤、四脚の切断などの外科治療、放射線治療になりますが、転移しやすく余命は長くありません。
セント・バーナードのドッグフードの選び方とは?
セント・バーナードのドッグフードの選び方をまとめました。
胃拡張捻転にプロバイオティクス
腸内環境を整えて免疫機能の強化してくれる乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスは胃の健康にも関わっているとされています。
免疫機能は体調を整えたり、ウイルスから体を守ったり、体の損傷を正常に戻す役割があります。
関節の健康維持
関節のトラブルが多いセント・バーナードには関節の健康維持に配慮されたフードがおすすめです。
グルコサミンやコンドロイチンなどの関節に効果のある成分を含むドッグフードを選びましょう。
具体的には原材料に緑イ貝などが含まれるドッグフードがオススメです。
皮膚を強く保つ
被毛が多く湿気がこもりやすいため皮膚炎が多いセント・バーナードには皮膚を強く保つ原材料がバランスよく含まれるドッグフードがおすすめです。
必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6は皮膚の水分保持を助けてくれます。
皮膚の水分保持を適切に行えるようにすることでバリア機能の効果が期待できます。
また、天然由来の亜鉛やビタミンEなどもおすすめです。
亜鉛は被毛を構成するタンパク質であるケラチンの生成を助けます。
美しい被毛を維持するために一役買ってくれます。
ビタミンEは強力な抗酸化作用があります。
アレルギーケアに新奇タンパク質&グレインフリー
新奇タンパク質は愛犬が今までに食べたことがないタンパク質のことで免疫の過剰反応によるアレルギー反応がでづらいといった特徴があります。具体的な食材としては鹿肉、ラム肉、魚、カンガルー、ウサギなどです。
大量のドッグフードが必要なので価格も重要
大型犬のため、ドッグフードの消費量も多くなります。
大きさやドッグフードのカロリーにもよりますが、月に20kg程度のドッグフードが必要になるため、続けられる価格であるかどうかを考える必要があります。
サイズは中粒(普通)〜がおすすめ
まずは中粒サイズにしましょう。
愛犬の好みもありますので様子を見ながら最適なサイズを見極めましょう。
セント・バーナードにオススメのドッグフードとは?
セント・バーナードにオススメのドッグフードを選びました。
Nutro ナチュラルチョイス ラム&玄米 13.5kg
ニュートロは自然素材、栄養バランス、品質、美味しさにこだわっている、2026年に100周年を迎える大手ドッグフードメーカーです。
豊富なラインナップの中でもおすすめはラム&玄米です。
低価格&大容量パッケージ
ナチュラルチョイスは2kg、4kg、7.5kg、13.5kgと豊富なパッケージが用意されています。
amazonの場合だと2kgのパッケージは1,500円/kgを超えてしまいますが、13.5kgのパッケージになってくると1,100円/kgほどまで価格が下がってきます。フードの内容もよく、コスパ抜群のドッグフードです。
低アレルギー原材料
Nutro ナチュラルチョイス ラム&玄米は、第一主原料にアレルゲンになりづらい、ラム肉を使用しています。
玄米やオートミールなどがバランスよく含まれていて、消化吸収に配慮されています。
皮膚の健康維持
ラム肉はビタミンB12、亜鉛などが含まれます。
ビタミンB12には細胞分裂を促進し、肌の新陳代謝を改善する働きがあります。
亜鉛はタンパク質の合成に関わり不足すると皮膚炎などのトラブルが起きやすくなります。
また原材料の亜麻仁はオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)とオメガ6脂肪酸をバランスよく含むため、セント・バーナードのゴージャスな被毛を美しく維持することに適しています。
関節のケアにグルコサミンとコンドロイチン
関節軟骨を強化するグルコサミン・コンドロイチンが含まれています。
セント・バーナードの重い体を支えるために最適な成分です。
タンパク質量は控えめ
低価格なナチュラルチョイスですがタンパク質の量は少し控えめです。
活動量が多いようであれば価格は上がってきますがたんぱく質量をもっと多く含むものを検討しましょう。
セント・バーナードの1ヶ月の食事代は?
セント・バーナードの1ヶ月の食事代は46,000円程度が目安です。
以下の条件で想定しました。
ドッグフードの価格 = 2,000円/1kg ドッグフードのカロリー = 350kcal 犬の体重 = 70kg(標準体型) 犬の年齢 = 5歳(避妊・去勢済み) |
1日に必要なカロリーは2710kcal、1日に必要なドッグフードは774g(月23.2kg)です。
必要なドッグフードの量は自動計算で簡単に確認できます。
※上記はあくまで参考値になり、ドッグフードの価格、おやつ、トッピングなどで変動します。