ドッグフードでもよく使われる食材の牛肉。今回はワンちゃんに牛肉を与えても大丈夫なのか、牛肉を与えることのデメリット、注意点、栄養価などを解説していきます。
目次
犬に牛肉を食べさせても大丈夫?
答えは「大丈夫」です。
ただ、必ず加熱すること、生では与えてはいけません。
その他にも注意点がありますので本記事にて解説します。
牛肉に含まれる栄養・成分とは?
食材名 | エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 | 食塩 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 亜鉛 | コレステロール |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
和牛肉:もも/脂身つき/生 | 235kcal | 61.2g | 19.2g | 18.7g | 0.5g | 1g | 0.1g | 45mg | 320mg | 4mg | 22mg | 160mg | 4mg | 75mg |
和牛肉:ばら/脂身つき/生 | 472kcal | 38.4g | 11g | 50g | 0.1g | 0.5g | 0.1g | 44mg | 160mg | 4mg | 10mg | 87mg | 3mg | 98mg |
和牛肉:もも/赤肉/生 | 176kcal | 67g | 21.3g | 10.7g | 0.6g | 1g | 0.1g | 48mg | 350mg | 4mg | 24mg | 180mg | 4.5mg | 70mg |
和牛肉:かたロース/赤肉/生 | 293kcal | 56.4g | 16.5g | 26.1g | 0.2g | 0.8g | 0.1g | 49mg | 240mg | 3mg | 16mg | 140mg | 5.6mg | 84mg |
タンパク質
牛肉には良質なタンパク質が含まれます。タンパク質はワンちゃんの皮膚、内臓、被毛、爪などを構築するために重要な役割を担っています。生命活動を維持するために必須の栄養素ということですね。
鉄分
牛肉に含まれる鉄分は血液を通して全身へと酵素を運ぶのを助けてくれます。
健康維持はもちろんのこと、皮膚や被毛などに必要なコラーゲンの生成も担っています。
不足すると皮膚炎、脱毛などにつながります。
ビタミン
牛肉には、さまざまなビタミンが含まれますが特にビタミンB群であるビタミンB12が豊富に含まれています。
ビタミンB12は赤いビタミンと呼ばれ血液を作ったり、タンパク質を合成してくれます。
亜鉛
亜鉛はタンパク質の分解・構成を担っており、骨の形成や皮膚・被毛を健康に保ってくれる役割があります。これが不足すると皮膚炎、脱毛につながります。
牛肉を与えることのメリット
牛肉をワンちゃんに与えることでのメリットは以下です。
1.丈夫な体の構築と筋肉量の維持
アミノ酸スコアと言われるタンパク質の質を示す数値がありますが、牛肉は最大値であるアミノ酸スコア100の食材です。とても良質なタンパク質が含まれます。筋肉量の維持や、皮膚、被毛の維持に役立ってくれます。
2.美しい皮膚や被毛の維持
タンパク質に加え、脂質、ビタミンB群、亜鉛を多く含むため、健康な皮膚や美しい被毛の維持・生成を助けてくれます。ただ、脂質の摂りすぎは肥満や膵炎などの原因になるため、コントロールしてあげる必要があります。
牛肉を与えるときの注意点
生肉は与えない、しっかり加熱する
肉食に近い雑食であるワンちゃんですが、生食は危険です。
ペット先進国と言われるアメリカの米国食品医薬品局(FDA(、米国獣医師会(AVMA)でも危険性を述べられています。
生肉はサルモネラ菌、腸管出血性大腸菌、カンピロ バクターなどの食中毒を引き起こす細菌や寄生虫が発生している場合があります。特に子犬やシニア犬など免疫力が低いワンちゃんが摂取した場合は重篤な症状を起こす場合がありますので、必ず加熱してから与えましょう。
できる限り脂身の少ないものを与える
脂質の量は部位によって多く異なります。以下の表をご覧ください。
食材名 | エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 | 食塩 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 亜鉛 | コレステロール |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
和牛肉:もも/脂身つき/生 | 235kcal | 61.2g | 19.2g | 18.7g | 0.5g | 1g | 0.1g | 45mg | 320mg | 4mg | 22mg | 160mg | 4mg | 75mg |
和牛肉:ばら/脂身つき/生 | 472kcal | 38.4g | 11g | 50g | 0.1g | 0.5g | 0.1g | 44mg | 160mg | 4mg | 10mg | 87mg | 3mg | 98mg |
和牛肉:もも/赤肉/生 | 176kcal | 67g | 21.3g | 10.7g | 0.6g | 1g | 0.1g | 48mg | 350mg | 4mg | 24mg | 180mg | 4.5mg | 70mg |
和牛肉:かたロース/赤肉/生 | 293kcal | 56.4g | 16.5g | 26.1g | 0.2g | 0.8g | 0.1g | 49mg | 240mg | 3mg | 16mg | 140mg | 5.6mg | 84mg |
「和牛肉:もも/脂身つき/生」と「和牛肉:ばら/脂身つき/生」の場合で見ると、「和牛肉:もも/脂身つき/生」の脂質は18.7%、対して「和牛肉:ばら/脂身つき/生」は50%と、脂質の量に大きな差があることがわかります。適度な脂質は皮膚の健康維持や美しい被毛の維持に役立ちますが、過度な脂質の摂取は肥満や膵炎などの原因になります。
できる限り脂身の少ないものを与えるようにしましょう。
上の表で見ると「和牛肉:もも/赤肉/生」は10%程度なのでドッグフードに含まれる脂質と大きな差がないこと、さらにタンパク質量も適量であるためワンちゃんには適していると言えるでしょう。
骨付き肉は与えない
骨付き肉を食べる犬の様子を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、骨付き肉は避けた方がいいでしょう。食道や気道に引っ掛かることで気道閉塞による窒息、砕けた骨が口の中を傷つけたり、消化器官を傷つける場合があります。特に加熱済みの骨肉は砕けやすいので注意が必要です。
できる限り骨のない部位を与えましょう。
アレルギーに注意する
牛肉はワンちゃんのアレルギーの原因としてトップとなっています。
2位の乳製品は全体の17%ですが、それよりも圧倒的に多い34%もの食物アレルギーの結果が報告されています。
牛肉を与えてから顔や体を掻いたり舐める、下痢やおう吐などの症状がある場合は食物アレルギーの可能性もあるため、注意しましょう。
与えていいのはどのくらいの量ですか?
牛肉の脂質の比率などによっても左右されますが、成犬(普通体型)の場合で1日に必要な摂取カロリーの10%を牛もも/赤肉を与えた場合は以下です。
愛犬の体重が5kg前後 | 約24g |
愛犬の体重が10kg前後 | 約40g |
愛犬の体重が20kg前後 | 約70g |
上記はあくまで単純に総摂取カロリーの10%とした場合の目安です。
調理法によって栄養素は大きく変わります。
また、単純に計算する場合として人間の体重と比較しましょう。
例えば50kgの人間と5kgのワンちゃん、人間にとってお肉一切れでも5kgのワンちゃんにとっては単純に10切れ分です。ご自身の体重と比較しながらどのくらい与えるかというのも判断基準の一つです。
ドッグフードを主食として与え、トッピング程度の感覚で与えるのが最適でしょう。
牛肉のおすすめの調理法
調理法は茹でる、焼く、蒸すどの方法でも構いませんが、茹でる場合は火の通りもよく、脂質も抜けるためいいでしょう。ドッグフードのトッピングとして与える場合は少し煮汁をかけてあげると美味しく食べることができます。また、バーベキューなどで油を使わずに焼く場合は余分な脂質を落とすことができるので、この場合は焼くという調理法もオススメ(※しっかり加熱する)です。
調理した直後に与えると火傷してしまうので人肌になるまで冷ましてから与えましょう。
また、子犬やシニアの場合は喉に詰まらせやすかったりしますので細かく切ってから与えましょう。