犬暮らし

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犬はトマトを食べても大丈夫!注意点を解説

執筆
  • 柿本みなみ(愛玩動物看護師 )

    生まれた頃から猫、犬と生活してきたこともあり、とても身近な存在でした。
    昔から動物に関わる仕事をしたいと考え、関東にて動物看護師として10年ほど働き、現在はペット宿泊施設にて健康チェックのサポートを行なっています。

  • 犬暮らしプロジェクトチーム

    当サイトの運営チームです。
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高い栄養素を含むトマトの旬は冬春トマトと夏秋トマトの二つに分類され、年間を通して美味しく食べることのできる食材です。ビタミンCが豊富で人間にとっても健康食材として多用されますがワンちゃんも同様にさまざまな健康的なメリットがあります。
今回はそんなトマトをワンちゃんに食べさせてもいいのか?また、注意点などについて詳しく紹介していきます。

犬にトマトを食べさせても大丈夫?

答えは「大丈夫」です。
ただ、赤く熟した(完熟)実の部分だけです。
熟していない緑のもの、茎や葉などは与えてはいけません。
その他にも注意点がありますので本記事にて解説します。

トマトに含まれる栄養・成分とは?

※左右にスライドできます。
食材名エネルギー水分タンパク質脂質炭水化物灰分食塩ナトリウムカリウムカルシウムマグネシウムリン亜鉛コレステロール
ミニトマト/生30kcal91g1.1g0.1g7.2g0.6g-4mg290mg12mg13mg29mg0.2mg-
トマト/生20kcal94g0.7g0.1g4.7g0.5g-3mg210mg7mg9mg26mg0.1mg-
※上記は100gあたりの成分となります。※参考:文部科学省食品成分データベース

リコピン

リコピンには強い抗酸化作用が持ち、ガンや動脈効果などの原因となる活性酸素を除去する働きがあり、 血液の健康維持をしてくれる効果があります。リコピンの抗酸化作用はカロテンの数倍以上と言われています。

βカロテン

リコピンと抗酸化作用をもち、動脈硬化予防やがん予防の効果が期待できます。
その他にも皮膚や被毛、目の粘膜などを健康に保つ効果があります。

カリウム

カリウムには細胞内液の浸透圧を一定に保つ役割があります。そのほかにも神経伝達、筋肉収縮など体の生命維持に必要な機能をサポートしてくれます。また、余分なナトリウムや水分を排泄し調整してくれる効果があります。

豊富な水分

トマトは全体の大部分である90%以上を水分が占めています。夏の暑さで元気がない時には水分摂取と体温調節をサポートしてくれます。

ビタミンCは意外に少ない

トマトはビタミンCが多いとイメージする方もいるかもしれませんが、実はあまり多くはありません。
100g中に含まれるビタミンCの量は15mg、ミニトマトには32mgとなっています。
栄養価がないと言われるキュウリには100g中に14mg含まれるので、意外に少ないということがわかります。
ドッグフードの基準値などを定めるアメリカのAAFCOではビタミンCの一日の必要量について基準を設けていませんが、アメリカの獣医学者であるリチャード・ピトケアン博士は動物の大きさによって100〜500mgを摂取することを推奨しています。

トマトを与えることのメリット

トマトをワンちゃんに与えることでのメリットは以下です。

夏バテにおすすめの食材

ワンちゃんも夏の暑さによって、食欲がなくなったりすることもあります。
トマトを構成する成分の95%は水分。トマトを食べることで水分摂取することができるため、夏の食材としては最適と言えるでしょう。また、鉄分が豊富なので貧血予防にも繋がります。さらに、クエン酸が含まれており胃腸の動きを助けてくれるので腸活にもおすすめです。

免疫力の強化と病気の予防に期待

トマトに含まれるリコピン、βカロテンは抗酸化作用を持っており、動脈硬化予防やがん予防の効果が期待できます。これらの抗酸化作用は健康な皮膚と美しい被毛の維持にも効果が期待できます。

トマトを与えるときの注意点

熟した(完熟)ものを与える

トマトにはトマチンという毒性の成分が含まれています。じゃがいもの芽に含まれる「ソラニン」によく似た毒性を持ちます。緑の未熟なトマトには多く含まれるため、未熟のトマトは絶対に与えてはいけません。食中毒症状を起こします。

ヘタを与えない

上の項目で紹介したトマチンはヘタなどの緑の部分には多く含まれます。必ず除去し、熟した果実だけを与えましょう。

できれば皮は除去する

トマトの皮は消化しにくいため、できれば熱湯や直火で温め、皮剥きを行いましょう。

身が崩れない程度にカット、もしくはスライスして与える

身が崩れない程度に細かくカット、もしくはスライスして与えましょう。
また、皮剥きをしていない場合は消化器官に詰まりやすいので注意して与えましょう。

与えていいのはどのくらいの量ですか?

おやつは総摂取カロリーの10%程度が適切とされていますが、トマトは100g中に20kcalしかないので多くのカロリーを必要とする大型犬などには10%を与えるのは大変でしょう。

小型犬 中玉くらいのトマトを1/2玉程度
中型犬 中玉くらいのトマトを1玉程度
大型犬 中玉くらいのトマトを1 〜1玉半程度

目安がわからない場合は人間に例えてみるのもいいでしょう。
例えば50kgの人間と5kgのワンちゃん、人間にとってトマト1玉でも5kgのワンちゃんにとっては単純に10玉分です。おやつは総摂取カロリーの10%と言えど、人間で10玉は食べられないでしょう。ご自身の体重と比較しながらどのくらい与えるかというのも判断基準の一つです。
あくまで、おやつとして与えるべきでしょう。

トマトのおすすめの調理法

完熟した果肉のみ、皮をむいて、一口サイズ(2cm角)にカットして与えるといいでしょう。
夏場で暑さが厳しい時は一口サイズにカットしたものを冷凍したり、一口サイズのトマトをジップロックに入れて食感が残る程度に潰して、冷凍庫に入れて、食べさせるときに少し溶かしてシャーベット状にして与えるのもいいでしょう。

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