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犬は梨を食べても大丈夫!注意点を解説

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夏から秋にかけて旬を迎える「梨」。シャキシャキとした歯ごたえとジューシーな甘味は、お好きな方も多いのではないでしょうか。
それに、美味しい梨を愛犬にも食べさせてあげたいと考える方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、人間の食べるもの全てがワンちゃんにとって安全というわけではありません。
今回は、「ワンちゃんに梨を食べさせても大丈夫なのかどうか」について、梨の栄養価や与えるメリット、注意点なども踏まえてご紹介します。

犬に梨を食べさせても大丈夫?

答えは「大丈夫」です。
時々、ご褒美として与える分には問題ないと言えます。
一点、気を付けなければいけないのは梨の「種」です。ワンちゃんには梨の「種」を食べさせてはいけません。なぜなら、梨の種には「シアン化合物」と呼ばれる有毒な物質が含まれているからです。
梨を与えるときには注意しましょう。

梨に含まれる栄養・成分は?

※左右にスライドできます。
食材名エネルギー水分タンパク質脂質炭水化物灰分食塩ナトリウムカリウムカルシウムマグネシウムリン亜鉛コレステロール
日本梨/生38kcal88g0.3g0.1g11.3g0.3g--140mg2mg5mg11mg0.1mg-
日本梨/缶詰76kcal80.5g0.1g0.1g19.1g0.2g-4mg75mg3mg4mg6mg0.1mg-
※上記は100gあたりの成分となります。※参考:文部科学省食品成分データベース

炭水化物

梨に多く含まれる炭水化物は、ワンちゃんが身体を動かす際のエネルギー源として使われ、疲労回復の手助けもしてくれます。
人間と同じように、摂りすぎると肥満や糖尿病につながりますので、食べ過ぎには気を付けましょう。

ビタミン・ミネラル

梨にはビタミンB1やB6、ナイアシンといったビタミン類が含まれています。ビタミンB1、B6、ナイアシンには、摂取した炭水化物(糖質)をエネルギーに変え、代謝を促進する働きがあります。
また、梨にはミネラルなどのカリウムも豊富に含まれています。カリウムはナトリウムとセットで働き、血圧を下げたり、心臓の働きを正常にしたりする効果があります。
ただ、カリウムは腎臓の機能が低下しているワンちゃんには注意が必要です。過剰摂取になってしまうと、腎臓に負担をかけてしまう可能性が高いからです。
腎臓病など持病のあるワンちゃんの場合には、梨を与える前に必ずかかりつけの動物病院でご相談ください。

食物繊維

梨には豊富な食物繊維が含まれています。
梨が凄いのは、水溶性食物繊維(水に溶ける性質のある食物繊維)と不溶性食物繊維(水に溶けない食物繊維)の両方をバランスよく含んでいるところです。
食物繊維は便秘の予防・解消に効果的ですが、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスが悪いと、食物繊維を多く摂っても便秘になってしまうことがあります。
また、食物繊維には糖質の吸収を抑える効果もあります。

ソルビトール

梨に含まれるソルビトールは、天然の甘味料です。ソルビトールは硬くなった便を柔らかくし、自然なお通じを促してくれます。また、気になる糖質の代謝を促進する効果もあります。

タンパク質分解酵素 プロテアーゼ

タンパク質の消化を助ける効果のある酵素、プロテアーゼは、梨に含まれる成分です。普段から下痢をしやすいなど、お腹の弱いワンちゃんには、梨に限らずプロテアーゼの含まれる食べものを与えてみるとよいでしょう。

梨を与えることのメリット

ワンちゃんに梨を与えるメリットは、以下の2つがあります。

  • 脱水時の水分補給になる
  • 便秘の解消が期待できる

脱水時の水分補給になる

齧る(かじる)ととてもジューシーで、水分を多く含んでいる梨。夏場、ワンちゃんが脱水を起こした時の水分補給役としておすすめです。
特に、病気や夏バテで食欲が落ちている時や、真夏日の散歩後には効果的に水分補給ができます。食べにくそうであれば、すりつぶして与えるのも一つの手です。
ただ、ワンちゃんの体調不良時には獣医師の適切な判断を仰ぐことが大切です。まずはかかりつけの動物病院で相談するようにしてみてくださいね。

便秘の解消が期待できる

梨には先述のとおり、豊富な食物繊維が含まれています。さらに、水分も豊富に含まれているため硬くなった便も柔らかくなり、自然と便秘の解消が期待できます。

人間でも便秘になったときには食物繊維を多く摂るように心がける方が多いですが、食物繊維を摂るだけでは効果は薄くなってしまいます。特に、便が硬くなっている場合には水分を多めに摂ることが必要だからです。

梨は2つの食物繊維をバランスよく摂ることができるだけでなく、豊富な水分も併せて摂ることができるため、便秘解消にはメリットが大きい果物なのです。

梨を与えるときの注意点

ワンちゃんに「梨」を与えるときの注意点は、以下の4つがあります。

  • 大量に与えない
  • 「梨」の種を食べさせない
  • ジュースや缶詰などの加工品は与えない
  • アレルギーを持っていないかどうか確認する

大量に与えない

梨は糖度が高いため、肥満に繋がることもあるため与えすぎないようにしましょう。

必ず細かくカットして与える

梨は犬にとって安全な食べ物ですが、大きいまま与えると窒息の危険性があります。大切な愛犬の窒息を防ぐためにも、必ず梨を細かくカットして与えるようにしてください。
また、梨を与える際にはトラブルが起きてもすぐに対処できるように、ワンちゃんが食べる様子を注意深く見守るようにしましょう。

「梨」の種を食べさせない

犬が梨の果実を食べても問題はありませんが、種は食べさせてはいけません。
梨の種にはシアン化合物と呼ばれる毒素が含まれています。このシアン化合物は、犬が大量に摂取すると有毒なため、大変危険です。窒息の原因になることもあります。
梨を与えるときには、種を食べさせないように注意しましょう。

ジュースや缶詰などの加工品は与えない

梨を使ったジュースや缶詰などの加工品には、糖分が非常に多く含まれています。そのため、ワンちゃんに与えると胃の調子を悪くしたり、肥満や虫歯の原因になったりもします。
ジュースや缶詰といった梨の加工品はワンちゃんに与えないようにしましょう。ただし、犬用に販売されているものは与えても問題ありません。

アレルギーを持っていないかどうか確認する

梨を与えてから数日中(二日後程度)までにワンちゃんが体調不良を起こした場合には、そのワンちゃんが梨にアレルギーを持っている可能性があります。
具体的な体調不良の内容としては以下の通りです。

  • 嘔吐してしまう
  • 下痢
  • 口周りの痒み
  • 食欲がなくなる

こうした症状が出た場合には、必ずかかりつけの動物病院で診察してもらうようにしてください。
また、初めてワンちゃんに梨を与える際にはほかの食べ物を与えないようにし、ごく少量の梨だけを与えるようにしましょう。そのうえで、梨を与えてから数時間、愛犬にアレルギー反応がないか見守ってください。

与えていいのはどのくらいの量ですか?

犬は甘い食べ物を好む傾向にあるため、おねだりされてついあげすぎてしまうかもしれませんが、糖尿病をはじめとした病気のリスクを考えたら、適度な量でやめておくのが賢明でしょう。
ワンちゃんのおやつの適正量は1日の総摂取カロリーに対して10%程度が推奨されています。
ただ、糖質が高いため総摂取カロリーの10%をそのまま与えてしまうと肥満の原因や、胃の調子が悪くなったりしますので以下を参考に与えましょう。

小型犬(体重10kg以下) 1/5個程度まで
中型犬(体重25kg未満) 1/4個まで
大型犬(体重25kg以上) 1/3個まで

梨の与え方

ワンちゃんに梨を与える際には、皮をむき、種を取り除いて、細かくカットして与えることをおすすめします。もしくは、すりおろして与えてもワンちゃんが食べやすくなるでしょう。
気を付けるべきポイントとして、ワンちゃんに一気に食べさせないという点が挙げられます。
梨はワンちゃんの好む味をしています。美味しくて、一気に食べて消化不良を起こしてしまうことも。梨はもともと消化しにくい果物なので、お腹の弱いワンちゃんは特に気をつけましょう。

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