「りんごが赤くなると医者が青くなる」と言われるくらい、健康に良いとされているりんごですが、果たして愛犬に与えても健康に問題のない果物なのでしょうか。今回は、ワンちゃんに「りんご」を食べさせても大丈夫!と題して、「りんご」の栄養価、与えるメリット、注意点などをご紹介します。
目次
犬に「りんご」を食べさせても大丈夫?
答えは、「大丈夫」です。
りんごは犬の甘いもの好きを満足させる低カロリーのおやつです。年齢を問わず食べさせても問題ありません。
りんごに含まれる栄養・成分は?
食材名 | エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 | 食塩 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 亜鉛 | コレステロール |
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リンゴ/皮つき/生 | 56kcal | 83.1g | 0.2g | 0.3g | 16.2g | 0.2g | - | - | 120mg | 4mg | 5mg | 12mg | 0.1mg | - |
リンゴ/皮つき/焼き | 86kcal | 77.2g | 0.2g | 0.4g | 21.9g | 0.3g | - | 1mg | 170mg | 5mg | 7mg | 17mg | 0.1mg | - |
ビタミンC
抗酸化成分であるビタミンCは、免疫力向上やがん予防といった効果が期待できます。また、犬の認知能力向上にも役立ちます。
ビタミンA
ビタミンAは、皮膚のターンオーバーを手助けし、視力を正常に保つ役割があります。
食物繊維
食物繊維は食べ物の消化を助け、血糖値の急上昇を防ぎます。また、便秘がちな犬のお通じを改善する効果も期待できます。
カルシウム・リン
カルシウムやリンは、犬の歯や骨を丈夫にし、維持するために役立ちます。
カリウム
カリウムは、余分なナトリウム(塩分)を尿とともに体外へ排出する働きがあります。また、血圧を下げ、心機能を正常に保つ働きも担っています。
ただ、慢性腎臓病など腎臓に疾患を抱えているワンちゃんは、カリウムを体外へ排出する働きが不十分な状態になっている可能性が高いです。過剰摂取にならないよう気を付けましょう。
りんごを与えるメリット
ワンちゃんに「りんご」を与えるメリットは、以下のとおりです。
- 口臭改善
- 便秘対策
- 病気予防
- 疲労回復
- 水分補給
口臭改善
りんごのスライスを食べることで、犬の歯をキレイにし、口臭を改善する効果が期待できます。ただ、毎日の歯磨きや獣医師によるクリーニングのような歯のケアの代わりにまではなりませんので注意しましょう。
便秘対策
りんごには食物繊維が含まれています。特に、ペクチンと呼ばれる水溶性食物繊維は豊富です。
このペクチンという食物繊維は、腸内環境を整え、自然なお通じを促す効果があります。そのため、便秘がちな子の便秘対策には最適です。
病気予防
りんごには抗酸化成分であるポリフェノールが含まれています。このポリフェノールは、病気予防に効果的だと考えられています。
特に、りんごの皮部分には実の部分よりも豊富にポリフェノールが含まれています。病気予防を考えるのであれば、皮ごと与えるとよいかもしれません。
ただ、皮つきのりんごは犬にとって食べにくく、消化もしづらいものです。皮ごと与える場合には、細かくカットして食べやすい状態にするか、すりおろして与えるのがおすすめです。
疲労回復
りんごには「クエン酸」が含まれています。クエン酸は体内に蓄積した疲労物質「乳酸」を分解し、疲労回復を促してくれます。
たくさん散歩をした後におやつとしてりんごを食べさせると、効果的に愛犬の疲労を回復させられることでしょう。
水分補給
ジューシーなりんごは、犬の水分補給に効果的です。運動後、喉の乾いたワンちゃんに疲労回復をかねて与えると喜ぶことでしょう。夏の熱い時期、夏バテでうまく水分補給ができないワンちゃんに与えるのにも最適です。
りんごを与えるときの注意点
ワンちゃんに「りんご」を与えるときの注意点は、以下のとおりです。
- 芯や茎を与えない
- 皮の与え方に注意する
- 種を食べさせない
- ジャムやジュースなどの加工品に気を付ける
- アップルパイを与えない
- アレルギーに気を付ける
芯や茎を与えない
犬にはりんごの芯を与えないでください。芯は犬にとってとても硬く噛みにくいばかりでなく、消化にもよくないからです。
誤ってりんごの芯を飲み込んでしまった場合、窒息や腸閉塞の危険があるため、大変危険です。かならず芯の部分を取り除いてから食べさせるようにしましょう。茎の部分も同様だと考えてください。
皮の与え方に注意する
りんごの皮は犬が食べても問題はありませんが、消化不良の原因となる場合があるため、与え方に注意が必要です。
皮付きのまま与える際には、消化しやすいように細かくカットするとよいでしょう。また、皮ごとすりおろしてから与えるのも消化に良いためおすすめです。
種を食べさせない
冒頭でも解説しましたが、犬にとってりんごの種は危険です。なぜなら、シアン化合物と呼ばれる有毒物質が含まれているからです。
誤って種を食べさせてしまうと、大切な愛犬を呼吸困難などで苦しませることにもなります。りんごは必ず種を取り除いてから与えるようにしましょう。
ジャムやジュースなどの加工品は与えない
ジャムやジュースなどの加工品には、多くの砂糖が含まれているため注意が必要です。糖分が多く含まれているものはカロリーも高く、肥満や糖尿病といった病気にかかりやすくなる可能性があります。
ワンちゃんに加工品を与える場合には、犬専用に作られたものを選びましょう。
アップルパイを与えない
りんごを使ったアップルパイは人間にとっておいしいデザートです。しかし、だからといって愛犬には与えないように気を付けましょう。アップルパイにはナツメグが使われている可能性があるからです。
ナツメグには犬の健康に害を及ぼす毒素ミリスチシンが含まれており、犬が摂取すると胃腸障害を起こす可能性があります。また、大量に摂取した場合には、幻覚や高血圧、発作などを起こす可能性も…。
人間にとってはなんでもない食べ物でも、ナツメグのように、犬にとっては有害なものもあるので注意しましょう。
アレルギーに気を付ける
りんごをはじめて与える場合には、体調不良を起こしていないかチェックする必要があります。体調不良を起こした場合、ワンちゃんがアレルギーを持っている可能性があるためです。
具体的な体調不良の内容としては以下のような点が挙げられます。
- 皮膚や口周りの痒み
- 皮膚の赤み
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振
こうした症状が現れた場合には、必ずかかりつけの動物病院で診察してもらうようにしましょう。
すでに別の食べ物にアレルギーがあるワンちゃんの場合には、りんごを食べさせる前に一度動物病院で相談するようにしてください。
与えていいのはどのくらいの量ですか?
おやつは全体の総摂取カロリーの10%程度が適切とされていますが、りんごには糖分が多く含まれているため、与えすぎると肥満や虫歯の原因になることもあります。
与える量に関しては、以下の表を目安にするとよいでしょう。
愛犬の体重が5kg前後 | 3/8個程度 |
愛犬の体重が10kg前後 | 1/4〜1/2個程度 |
愛犬の体重が20kg前後 | 半分〜1個程度 |
上記で判断がつかない場合は犬の体重を自分の体重に置き換えてみてください。
50kgの人間が1個食べるとすると、25kgの犬の場合は半個ほどでしょう。
りんごのおすすめの調理法
りんごをワンちゃんに与える際には、よく洗って農薬や病原菌を落とすようにしましょう。洗ったあとは、りんごをスライスするか、小さく角切りにして食べやすい状態にしてから与えて下さい。
りんごを皮つきで与える場合には、さらに細かくカットするか、すりおろしてあげると食べやすく、消化不良も起こしにくいですよ。