ほんのりとした甘みとスパイシーな風味が特徴のナツメグ。ナツメグは、インドネシア原産の植物です。世界四大香辛料の一つで、ハンバーグなどの肉料理のほか、スープやデザートにも幅広く利用されているナツメグは、犬に与えてもよいのでしょうか。
今回は、ナツメグについて詳しく紹介していきます。
目次
犬にナツメグを食べさせても大丈夫?
答えは、「いいえ」です。
残念ながら、ワンちゃんにナツメグを与えることはできません。ナツメグはワンちゃんにとって毒性があるスパイスで、摂取すると健康に悪影響を与える可能性があります。
本記事では、ナツメグがワンちゃんにとって危険な理由や、誤って食べてしまった場合の対処方法などについてお話します。
ナツメグを犬に食べさせてはいけない理由とは?
森林を思わせる「ナツメグ」の香り成分には、ピネンや、ミリスチシン、オイゲノールなどがあります。これらの香り成分には鎮静効果があるといわれており、精神的な疲労やストレスを和らげる効果が期待できます。
人にはさまざまな効果のある「ナツメグ」ですが、なぜワンちゃんには危険なのでしょうか。ワンちゃんに食べさせてはいけない理由を、以下で説明します。
ミリスチシンによる中毒
「ナツメグ」には、殺虫剤の原料にも使われるミリスチシンが含まれています。ミリスチシンは、人にとっては、炎症を抑える効果や、食欲を増進することによって消化を助ける効果があります。
ただし、過剰摂取すると交感神経に影響を与え、幻覚や興奮、めまい、吐き気といった重大な副作用が生じる可能性があります。
人よりも体の小さなワンちゃんには、少量の「ナツメグ」でも重篤な症状が生じる可能性があるため、絶対に与えないようにしましょう。
ナツメグを食べたことによる症状とは?
ワンちゃんが「ナツメグ」を食べたことによる症状は以下のとおりです。
消化器症状
「ナツメグ」を摂取したワンちゃんは、口腔内の乾燥や食欲不振、嘔吐、下痢などの消化器症状を引き起こすことがあります。
消化器症状によって体力が消耗し、深刻な脱水症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
循環器症状
ワンちゃんが「ナツメグ」を摂取すると、心拍数の上昇や低血圧、高血圧、体温の上昇などの循環器症状が生じる可能性があります。ショック状態に至ることもあるので、早めの対応が必要です。
呼吸器症状
「ナツメグ」を摂取したことによる中毒で、ワンちゃんの呼吸が速くなったり、不規則になることがあります。「ナツメグ」が神経系に影響を与えることによって、呼吸が上手にできなくなるためです。
神経症状
「ナツメグ」に含まれる成分が、神経系に影響を与えることによって、ワンちゃんに見当識障害や幻覚、発作などの神経症状が現れることがあります。
見当識障害は、自分の周囲や状況がわからなくなる状態です。さらに、長時間のめまい、興奮、不安感、四肢の脱力感などが生じることもあります。
ナツメグを食べてしまった時の対処法とは?
ワンちゃんが「ナツメグ」を食べてしまった時の対処法を以下で紹介するので、万が一の際は参考にしてください。
すぐに動物病院に相談
ワンちゃんが「ナツメグ」を誤って食べてしまった場合、すぐに動物病院に相談することが大切です。動物病院に連絡する際には、「ナツメグ」を飲み込んでしまった時間や量をできるだけ正確に伝えましょう。獣医師が迅速かつ適切に対応しやすくなります。
症状がすぐに現れない場合でも、時間が経過してから急激に症状が悪化することがあるため、早めに動物病院に相談したほうがよいでしょう。
「ナツメグ」が含まれる加工品に注意
「ナツメグ」は、ハンバーグ以外にも多くの食品に使用されています。例えば、ハムやソーセージといった食肉加工品、クッキーやパイなどのお菓子、さらにシロップやデザートに至るまで、さまざまな料理に含まれている可能性があります。
そのため、ワンちゃんに人用の食べ物を与える際は、食品の中に「ナツメグ」が含まれていないかをしっかりと確認することが大切です。「ナツメグ」はワンちゃんにとって有害で、少量でも中毒症状を引き起こす可能性があるためです。
「ナツメグ」の誤食に注意
好奇心旺盛なワンちゃんは、思いもよらない物を口にしてしまうこともあるため、注意が必要です。
「ナツメグ」が含まれている可能性のある食品や調味料は、ワンちゃんには届かない高い場所や安全な収納場所に保管することで、誤食を防ぐことができるでしょう。
「ナツメグ」以外のスパイスを活用
ワンちゃんにスパイスを与えたいと思う場合、「ナツメグ」は避けるべきですが、生姜であれば安全に与えられるため、活用してみてはいかがでしょうか。
生姜には消化促進作用があり、吐き気や胃の不調を和らげる効果があり、ワンちゃんの健康維持に役立つといわれています。
まとめ
「ナツメグ」は有害なスパイスなので注意しましょう。
スパイスは安全なものを選んで、ワンちゃんの健康を守ってあげてくださいね。