さわやかでジューシーな甘みに鮮やかな黄色い果肉が特徴的なパイナップルは、幼い子供からお年寄りまで大人気のフルーツです。
そんなパイナップルですが、犬に与えても大丈夫なのかは気になるところですよね。
そこで今回は、パイナップルを犬に与えても大丈夫なのか、またパイナップルに含まれる栄養素や犬に与える際の注意点などについて詳しくご紹介します。
目次
犬に「パイナップル」を食べさせても大丈夫?
答えは、「大丈夫」です。
適量を与える分には、パイナップルは犬にとって安全で健康的なおやつになります。
しかし、ジュースや缶詰といった加工品を与えるのは問題です。
こうした加工品には大量の砂糖が使われていることが多いため、肥満や糖尿病といった健康問題を引き起こす可能性があるからです。
大切な愛犬にパイナップルを与える際には新鮮な生のものを選ぶようにしましょう。
その他にも注意点がいくつかありますので、記事内でご紹介します。
「パイナップル」に含まれる栄養・成分とは?
「パイナップル」に含まれる栄養と成分について、以下で詳しく説明します。
糖質
糖質と言えば、「太る」「糖尿病の原因になる」といったイメージが強いかもしれません。
しかし糖質は、身体を動かす際のエネルギー源として重要な役割を担っています。
適量を摂取することで、ワンちゃんも元気いっぱいにお散歩ができることでしょう。
食物繊維
食物繊維は便通を整える働きがあることで有名です。
食物繊維には水に溶けにくい性質をもつ不溶性食物繊維と、水に溶けやすい性質を持つ水溶性食物繊維の2種類があります。
パイナップルには不溶性食物繊維が多く含まれており、便のカサを増やし、腸を刺激して自然なお通じを促してくれます。
便秘がちなワンちゃんには大切な成分ですね。
ビタミン
パイナップルには、ビタミンB1やビタミンCといったビタミン類が含まれています。
ビタミンB1は水溶性のビタミンで、糖質の代謝を手助けしたり、疲労を回復したりする働きがあります。
また、ビタミンCはコラーゲンを生成し、皮膚や粘膜を健康に保つ役割を担っています。
抗酸化作用もあり、がんや動脈硬化を予防する働きも期待できます。
ミネラル
パイナップルには、ミネラルの一種であるカリウムやマンガンが含まれています。
カリウムは塩分(ナトリウム)を体内から排出し、血圧を正常に保つ働きがあります。
また、むくみの防止にも効果的です。
マンガンは酵素の成分になったり、酵素の活性化に役立ったりします。
また、骨や関節軟骨などの形成にも作用するため、非常に重要な成分と言えるしょう。
クエン酸
強い酸味を持つことで有名なクエン酸ですが、その酸味によって食欲を増進させる効果が期待できます。
また、激しい運動をすると体内に蓄積されると言われている乳酸を分解し、新陳代謝を促して疲労を回復させる働きもあります。
ワンちゃんが夏バテなどで疲れを溜めているときや食欲がないときには、ぴったりですね。
「パイナップル」を与えるメリット
ワンちゃんにパイナップルを与えるメリットは、以下のとおりです。
- 水分補給
- 便秘対策
- 疲労回復
水分補給
パイナップルはジューシーで水分が多い為、ワンちゃんが体調を崩して水分補給がうまくいかないときには最適のおやつになります。
また、程よい酸味で食欲増進効果も期待できるため、ワンちゃんが夏バテした時や食欲がないときなどにもおすすめです。
便秘対策
パイナップルに含まれる食物繊維は、便のカサを増やすことで自然なお通じを促してくれます。
そのため、便秘がちなワンちゃんの便秘対策として、大きな効果が期待できます。
疲労回復
パイナップルに含まれる「酸っぱい」成分のクエン酸は、体内に蓄積された乳酸を分解し、疲労を回復させる働きがあります。
そのため、長時間のお散歩のあとなど、おやつとしてワンちゃんにパイナップルを与えると普段よりも早い疲労回復が望めるでしょう。
「パイナップル」を与えるときの注意点
ワンちゃんにパイナップルを与えるときの注意点は、以下のとおりです。
- 過剰に摂取させない
- 血栓予防薬を飲んでいる場合はパイナップルを与えないようにする
- アレルギーに注意する
- 缶詰やジュースなどの加工品はNG
- パイナップルの芯と皮は食べさせない
過剰に摂取させない
適量であれば安全で健康的なおやつになるパイナップルも、過剰に摂取すれば大切な愛犬の健康を害してしまいます。
パイナップルには糖分が多く含まれているため、与えすぎると肥満や糖尿病の原因になるからです。
また、パイナップルに含まれる食物繊維は過剰に摂取すると便のカサが増えすぎてしまい、かえって便秘の原因になってしまうことも。
もともと胃が弱いワンちゃんの場合には、特に注意が必要です。
ワンちゃんにパイナップルを与える際には、必ず少量だけを与えるようにしましょう。
血栓予防薬を飲んでいる場合はパイナップルを与えないようにする
血栓予防薬を飲んでいるワンちゃんには、パイナップルを与えないようにしましょう。
パイナップルに含まれるたんぱく質分解酵素「ブロメライン」は、血栓予防薬「ワルファリン」との相性が悪いからです。
「ブロメライン」は、血栓予防薬である「ワルファリン」の効果を強くする働きがあるため、ワンちゃんが出血しやすくなる可能性があります。
アレルギーに注意する
パイナップルを与えた際、まれにアレルギー反応を起こすワンちゃんがいます。
そのため、はじめてパイナップルを与える際にはワンちゃんの様子に注意して見守る必要があります。
パイナップルを与えたあと、以下のような症状が出ていないか確認しましょう。
- 口周りや皮膚の痒み、赤み
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振
こうした症状が一つでも見られた場合には、必ずかかりつけの動物病院を受診してください。
缶詰やジュースなどの加工品はNG
缶詰やジュース、ドライフルーツといった加工品を愛犬に与えるのはやめましょう。
こうした加工品には大量の砂糖が添加されていることが多く、肥満や糖尿病、虫歯などの健康被害を引き起こす可能性が高いからです。
加工品を与える場合には犬専用に作られたものを選ぶようにしてくださいね。
パイナップルの芯と皮は食べさせない
犬にパイナップルを与える際には、皮や芯を食べさせないように注意してください。
パイナップルの皮や芯は非常に硬く、消化不良の原因になります。
また、皮には棘があるため、飲み込むと非常に危険です。
捨てる予定の皮や芯は、ワンちゃんの手が届かないようにすぐに処理するように心がけましょう。
与えていいのはどのくらいの量ですか?
ワンちゃんのおやつの適正量は総摂取カロリーに対して10%程度が推奨されています。
ただ、パイナップルには糖質が多く含まれているため、与えすぎると肥満や糖尿病、虫歯の原因になりかねません。
パイナップルを与える際には、以下の表を目安にするとよいでしょう。
愛犬の体重が5kg | 25g程度 |
愛犬の体重が10kg程度 | 40g程度 |
愛犬の体重が20kg程度 | 70g程度 |
スーパーなどで売られている一口サイズのパイナップルは、一切れで約15gです。
ワンちゃんにパイナップルを与える際の参考にしてください。
「パイナップル」のおすすめの与え方
パイナップルは新鮮なものを選び、喉に詰まらせたり消化不良を起こしたりしないように細かくカットして与えましょう。
うだるような暑さの続く夏の日には、冷凍したパイナップルもワンちゃんにとっては美味しいおやつになります。
凍らせたパイナップルは噛みづらく、丸飲みして喉に詰まらせ窒息する危険性があるため、あらかじめ小さくカットしたものを冷凍するようにしましょう。