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犬にキシリトールを食べさせるのはNG!注意点を解説

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砂糖の代替品として人気が高く、むし歯予防にも効果的なキシリトール。
人にとっては嬉しい効果をもたらすキシリトールですが、ワンちゃんに与えてもよいのでしょうか。
この記事では、キシリトールがワンちゃんにどのような影響を与えるのか、その関係性について詳しく紹介します。

「キシリトール」は犬に食べさせてもいい?

答えは、「いいえ」です。
キシリトールは、ワンちゃんに与えてはいけません。キシリトールを摂取すると、インスリンが大量に分泌されて低血糖を引き起こす可能性があります。さらに悪化すると、肝障害や命に関わることもあります。

本記事では、キシリトールがワンちゃんにとって危険な理由や対処法などについてお話します。

「キシリトール」を犬に食べさせてはいけない理由とは?

「キシリトール」をワンちゃんに食べさせてはいけない理由を、以下で説明します。

「キシリトール」による低血糖

ワンちゃんの膵臓は、「キシリトール」を糖と間違えて認識し、大量のインスリンを放出してしまいます。
インスリンは、膵臓から出るホルモンで血糖を一定にする働きを担っています。人は「キシリトール」による影響を受けませんが、ワンちゃんの場合はインスリンを放出させる力が強く働きます。

そのため、ワンちゃんが「キシリトール」を摂取すると、インスリン濃度が急激に上昇し、摂取後30分〜1時間程度で低血糖が生じるといわれています。重篤な場合は、命に関わることがあるので、注意が必要です。

「キシリトール」による肝障害

ワンちゃんが「キシリトール」を摂取すると、急性の肝障害を引き起こす可能性があります。摂取後、72時間以内に生じやすいといわれています。

「キシリトール」を食べたことによる症状とは?

ワンちゃんが「キシリトール」を食べたことによる症状は、以下のとおりです。

低血糖による症状

低血糖は、血液中の糖分が不足している状態のことです。体内のエネルギー源である糖分が不足すると、体が正常に機能しなくなります。

低血糖になると、元気がなくなり、ふらつきや脱力感がみられることがあります。症状が進行すると、昏睡やけいれん発作を引き起こすこともあります。

特に、子犬や小型犬は低血糖を起こしやすいため、注意が必要です。

肝障害による症状

肝障害が起こると、肝臓の機能が低下し、粘膜や皮膚が黄色くなる黄疸の症状が生じます。肝臓で処理されるべきビリルビンという色素が、体内に蓄積するからです。

また、肝臓は出血を止めるための血液凝固因子を作る役割を担っていますが、凝固機能が低下すると、血が固まりにくくなり、内出血や皮下出血などが起こりやすくなります。その結果、軽い外傷でも出血が止まりにくくなるため、命に関わります。

「キシリトール」を食べてしまった時の対処法とは?

ワンちゃんが「キシリトール」を食べてしまった場合の対処法を以下で紹介します。万が一の際は、参考にしてください。

すぐに動物病院を受診する

ワンちゃんが「キシリトール」を誤って口にしてしまった場合は、すぐに動物病院を受診してください。

「キシリトール」が含まれている食品や食べた量が分かる場合は、メモを取っておくと診察の際に役立ちます。商品のパッケージがあれば、診察時に持参するとよいでしょう。

「キシリトール」が含まれる食品に注意

「キシリトール」が含まれているガムやキャンディーといった食品を、ワンちゃんが誤って食べないように注意しましょう。必ず、ワンちゃんの手の届かない場所に保管してください。

「キシリトール」が含まれる食品には、砂糖不使用や、むし歯予防などのラベルが付いていることが多いので、チェックしてみてください。

「キシリトール」の中毒量は?

一般的に、ワンちゃんの体重1kgあたり0.1g程度以上の「キシリトール」を摂取すると、中毒を引き起こす恐れがあるといわれています。

市販のキシリトールガムに含まれる「キシリトール」の量は、メーカーや商品によって異なりますが、目安として1粒あたり0.5g程度とされています。そのため、キシリトールガムを1粒程度食べただけでも、中毒になる可能性があるでしょう。

ただし、ワンちゃんの健康状態や空腹状況によっても、「キシリトール」による影響度は変わります。特に、小型犬や空腹時の場合は、少量でも中毒を起こしやすいので、注意が必要です。

「キシリトール」が含まれる果物は与えても大丈夫?

果物や野菜のなかには「キシリトール」が含まれているものがあります。いちごやカリフラワー、ほうれん草などです。

通常の食事として、野菜や果物に含まれる少量の「キシリトール」を摂取しても、ワンちゃんの体調に悪影響が出ることはないと考えられています。しかし、「キシリトール」の過剰摂取を避けるため、「キシリトール」が含まれている果物や野菜は、少量を与えるようにしましょう。

身近にある「キシリトール」に注意して、大切なワンちゃんの健康を守ってあげてください。

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