
唐辛子は、身体の内側から温めてくれる食材として知られており、寒い冬はもちろん、夏でもスタミナがつきそうなイメージから人気の高い香辛料です。
激辛メニューに欠かせない存在ですが、身近にあるからこそ好奇心いっぱいのワンちゃんが思わず食べてしまうこともあるかもしれません。
今回は、ワンちゃんと唐辛子の関係性について詳しく紹介します。
目次
「唐辛子」はワンちゃんに食べさせてもいい?
答えは、「いいえ」です。
唐辛子に含まれる辛味成分はワンちゃんにとって刺激が強く、体に負担をかけてしまうため、与えないようにしましょう。
本記事では、ワンちゃんに唐辛子を与えてはいけない理由や、もし誤って食べてしまった場合の対処法について、詳しく紹介します。
「唐辛子」をワンちゃんに与えてはいけない理由とは?
「唐辛子」をワンちゃんに与えてはいけない理由を、以下で詳しく説明します。
カプサイシン
「唐辛子」には、カプサイシンと呼ばれる天然の辛味成分が含まれており、この成分がスパイシーな風味のもとになっています。
人が適量を摂取すれば、代謝を高めたり発汗を促したりといった身体によい作用が期待できます。
しかし、カプサイシンはワンちゃんにとって非常に刺激が強く、誤って口にすると消化管を傷つける恐れがあるので注意が必要です。
「唐辛子」を食べたことによる症状とは?
ワンちゃんが「唐辛子」を食べたことによる症状は、以下のとおりです。
消化器症状
「唐辛子」に含まれるカプサイシンをワンちゃんが過剰に摂取すると、食道や胃、腸の粘膜が刺激され、炎症を起こして嘔吐や下痢につながる可能性があります。嘔吐や下痢が続くと脱水症状を引き起こす恐れがあるので、早めの対処が大切です。
また、カプサイシンによる刺激の影響で、よだれの量が増え、場合によってはダラダラと止まらなくなることもあります。口の中や消化管の粘膜が傷つくことで、痛みや不快感が生じ、食欲が低下することもあります。
呼吸器症状
カプサイシンの匂いを嗅いだだけでも、ワンちゃんが強い刺激を受けてくしゃみや咳をする場合があります。
特に粉末状の唐辛子や、加熱調理中に立ち上る蒸気には気をつけましょう。刺激成分が空気中に広がることで、敏感なワンちゃんの鼻や喉が反応し、くしゃみや咳が止まらなくなることもあります。
目の症状
カプサイシンが目の粘膜に触れると、強い刺激によって目が充血することがあります。刺激を取り除こうとして涙がたくさん出たり、赤くなったりといった症状が見られることもあります。
ワンちゃんが目をこすったり床に顔をこすりつけたりする様子が見られる場合は、ワンちゃんが目に違和感を覚えている可能性があります。目を傷つけてしまう恐れもあるため、そのままにしておくのは危険です。
「唐辛子」を食べてしまった時の対処法とは?
ワンちゃんが「唐辛子」を食べてしまったときの対処法を以下で紹介するので、参考にしてください。
水を飲ませる
「唐辛子」を食べてしまった場合は、応急処置として水分を補給させましょう。カプサイシンは水には溶けにくい一方で、油やアルコール、酢には溶けやすい性質があります。
胃酸によってカプサイシンが溶け出すと、胃の粘膜を傷つける恐れがあるので、早めに体の外へ出すことが大切です。
症状が見られたら動物病院に相談
「唐辛子」を食べた量がごく少量であれば、体に大きな影響が出ないこともあるので、しばらく様子を見てもよいでしょう。
しかし、「唐辛子」を食べた後に、嘔吐や下痢、くしゃみ、咳、よだれが止まらないといった症状が見られた場合はすぐに動物病院に相談しましょう。
カプサイシン自体に命にかかわるほどの毒性はありませんが、ワンちゃんにとっては非常に強い刺激となる成分です。特に、脱水症状が進行すると命にかかわる危険があるため、十分に注意が必要です。
「唐辛子」の誤食に注意
「唐辛子」をワンちゃんが誤って食べてしまわないよう、日頃からしっかり管理することが大切です。
まずは、密閉できる蓋付きの容器に入れて保管しましょう。万が一落としてしまっても中身がこぼれないように、しっかり閉まるタイプの容器がおすすめです。
また、ワンちゃんが飛び上がっても届かない高い場所や、棚や引き出しの中にしまっておくと、誤食のリスクをより減らせます。
「唐辛子」入りの加工品に注意
「唐辛子」は料理だけでなく、スナック菓子や加工食品にも多く使われています。例えば、唐辛子入りのせんべいやピリ辛味のジャーキー、乾燥唐辛子が添えられたパスタなど、意外な食品に含まれているので気をつけましょう。
身近にある食材だからこそ、ワンちゃんがうっかり「唐辛子」を食べてしまわないよう、日頃からしっかり注意してあげてください。
小さな配慮が大切な家族であるワンちゃんの健康を守ることにつながります。これからもワンちゃんとの暮らしを安心して楽しめるよう、身近な食材にも気を配りましょう。