クリーミーな味わいが魅力のアボカドは、サラダやスムージー、トーストなどさまざまな料理に活用できる万能食材です。栄養価が高く、健康や美容にも役立つアボカドですが、ワンちゃんに与えても安全なのでしょうか?
この記事では、ワンちゃんとアボカドの関係性について詳しく紹介します。
目次
「アボカド」はワンちゃんに食べさせてもいい?
答えは、「いいえ」です。
ワンちゃんにアボカドは与えないでください。アボカドに含まれるペルシンという成分によって、消化器症状を引き起こす可能性があります。
本記事では、アボカドがワンちゃんにとって危険な理由や対処法などについてお話します。
「アボカド」をワンちゃんに食べさせてはいけない理由とは?
「アボカド」をワンちゃんに食べさせてはいけない理由は、以下のとおりです。
ペルシンによる中毒
「アボカド」に含まれるペルシンは、殺菌作用のある有機化合物です。ペルシンは人には影響がありませんが、猫、うさぎ、馬など多くの動物にとっては有毒です。特に鳥に対しては毒性が非常に強く、摂取後わずか数時間で死に至るケースも報告されています。
ワンちゃんの場合、鳥ほど深刻ではありませんが、摂取後1〜3日以内に消化器症状や呼吸器症状が現れる可能性があるため、注意が必要です。
「アボカド」の脂肪分による急性膵炎
森のバターとも呼ばれる「アボカド」は、100gあたり17.5gもの脂質を含む高脂肪な食材です。そのため、ワンちゃんが「アボカド」を摂取すると、消化不良や急性膵炎を引き起こす可能性があります。特に膵炎は命に関わることもあるため注意が必要です。
また、「アボカド」は100gあたり176kcalと高カロリーで、ワンちゃんの体重増加の原因になることもあります。
「アボカド」の種による窒息や腸閉塞
アボカドといえば、大きく硬い種を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。「アボカド」の種は、丸呑みしやすいワンちゃんにとって特に危険です。気道や食道に詰まると呼吸困難を引き起こす可能性があります。
さらに、「アボカド」の種が腸管に詰まることで、腸閉塞を引き起こす恐れもあります。腸閉塞は、ワンちゃんの命に関わるため、早急な対処が必要です。
「アボカド」に含まれるたんぱく質によるアレルギー
「アボカド」には、100gあたり2.1gのたんぱく質が含まれており、たんぱく質に対して免疫機能が過剰に反応することでアレルギー症状を引き起こす場合があります。ワンちゃんの「アボカド」アレルギーは、稀ではありますが、注意が必要でしょう。
「アボカド」を食べたことによる症状とは?
ワンちゃんが「アボカド」を食べたことによる症状は、以下のとおりです。
ペルシン中毒による症状
「アボカド」のペルシン中毒による症状として、嘔吐や下痢、軟便といった消化器症状がみられます。
また、消化器の不調が長引き、水分補給や食事が取れない状況が続くことで、脱水症状に陥りやすい可能性もあります。悪化すると、呼吸困難やけいれんを引き起こす恐れもあります。
急性膵炎による症状
「アボカド」の脂肪分による急性膵炎では、嘔吐や下痢、食欲不振、よだれ、元気のなさといった症状がみられます。特に、嘔吐を繰り返すことが多いといわれています。
腸閉塞による症状
「アボカド」の種による腸閉塞では、嘔吐や下痢、食欲不振、便が出ないといった症状が現れます。
腸閉塞が悪化すると、脱力や頻呼吸、腹痛によるお腹をかばう仕草などの症状が生じやすくなります。
腸に穴が開くことで、腹膜炎を起こしたり、詰まった腸の一部が壊死して敗血症に進行したりする場合があり、命に関わるため早急な治療が必要です。
アレルギーによる症状
「アボカド」による食物アレルギーを引き起こすと、嘔吐や下痢、皮膚のかゆみ、元気のなさ、皮膚や目の赤さといった症状がみられます。
「アボカド」を食べてしまった時の対処法とは?
ワンちゃんが「アボカド」を食べてしまった場合の対処法を以下で紹介します。万が一の際は参考にしてください。
動物病院に相談
ワンちゃんが「アボカド」を少量食べてしまっても、普段と変わった様子がなければ慌てて動物病院を受診する必要はありません。ワンちゃんの体調の変化がないか、注意深く観察してあげてください。心配な場合は、動物病院に相談して指示を仰ぎましょう。
ただし、「アボカド」の種まで呑み込んでしまった場合や、食後に嘔吐や下痢、食欲不振、元気のなさといった症状がみられる場合は、早急に動物病院を受診してください。
「アボカド」の誤食を防ぐ
ワンちゃんが「アボカド」を誤って食べないよう、手の届かない場所に保管しましょう。特に、種や皮を捨てたゴミ箱には注意が必要です。ゴミ箱をあさる習性のあるワンちゃんには、しっかりと管理を徹底しましょう。
「アボカド」を含む食品やオイル、飲料にも注意が必要です。たとえワンちゃんが欲しがっても、「アボカド」を使った料理を与えないようにして、ワンちゃんの健康を守ってあげてください。