犬暮らし

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『獣医師が回答』愛犬があまり水を飲まない。水を飲まないことによる懸念点とは?

執筆
  • 松本 千聖(獣医師)

    岐阜大学応用生物科学部獣医学課程を卒業後、3年ほど獣医師として動物愛護団体付属動物病院やペットショップ付属動物病院にて主に一次診療業務、ペット保険会社での保険金査定業務などに従事。現在は製薬関係の業務に携わりつつ、ペットの健康相談、動物関係のライティングに加えてペット用品並びに犬猫の健康記事に関する監修経験多数。なおプライベートでは個人で保護猫活動並びに保護猫達の健康管理実施中。

獣医師の松本 千聖さんに回答していただきました。

松本 千聖(獣医師)さんの回答

犬が必要とする水の量は1日につき体重1kgあたり約50mLと考えることができますが、あくまでも目安であり個体差や季節の影響、フードがドライかウエットかなどの様々な要因によっても変化するため、この数値より少ないからといって必ずしも問題があるといいきることはできません。ただ、日ごろの愛犬の飲水量を把握しておくことは健康管理においても重大なポイントとなるためメモリ付きの容器などを使用することをおすすめします。
水をあまり飲まないことによる健康上の懸念点としては主に以下の3つを挙げることができます。

  • 口腔内の異常
  • 消化器のトラブル
  • 泌尿器疾患

口腔内の異常

歯周病や口内炎などによって水を飲むと口の中が痛むため、飲水量が減っている可能性があります。口臭やフードを食べにくそうにするなどの様子も見られないか確認するようにしましょう。

消化器のトラブル

吐き気によって水を飲みたくないという状態かもしれません。食事量に変化や嘔吐していないかなど愛犬の状態をよく観察するようにしてください。

泌尿器疾患

飲水量が少ないと尿石症のリスクが高くなることが知られています。水や水の器が汚れていないか、落ち着いて飲むことができる場所に水飲み場を用意しているかなど環境を見直してみる必要があるかもしれません。

何かしらの原因で飲水量が十分ではないと脱水症の危険性があり、初期症状としては食欲の低下や元気消失、尿の回数・量の減少、いつもよりも尿の色が濃いなどが見られ、放置していると状態はどんどん悪化していきます。健康を守るためにも普段から愛犬が飲む水の量を把握しておき、心配な点があればすぐに動物病院に相談するようにしましょう。

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