犬暮らし

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【獣医師監修】おすわりの教え方とコツ、うまくできないときの対処法を徹底解説

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人と犬が一緒に暮らしていく上で、「おすわり」は非常に重要なしつけの一つです。今回は、犬に「おすわり」を教える大切さや、教え方、「おすわり」がうまくいかないときの対処法や対策をご紹介しますので、是非参考にしてみてくださいね。

犬に「おすわり」を覚えさせることの大切さ

犬が興奮したり、パニックを起こした場合には、「おすわり」をさせることにより、犬の高ぶっている気持ちを鎮められ、落ち着きを取り戻すことができます。
つまり、「おすわり」は犬の問題行動を解決したり、危険を回避する際に有効なコマンドの一つなのです。
犬に「おすわり」を覚えさせ、飼い主さんの指示で犬をコントロールできるようにし、愛犬と周りの人達とが安心・安全に暮らしていけるようにすることが重要です。

犬の「おすわり」の教え方とコツ

おやつやオモチャを使って、自然と目的の姿勢をとるようにする誘導する方法を”ルアーリング”と言い、しつけで多様されています。
今回はこの”ルアーリング”を使った方法で、「おすわり」を教えましょう。

「おすわり」を覚えさせる前の準備

「おすわり」を覚えさせる前にまず以下を行いましょう。

「アイコンタクト」の練習をしよう!

「おすわり」を覚える前に、まずは「アイコンタクト」の練習をしましょう。
アイコンタクトでは、飼い主さんから名前を呼ばれると、必ず良いことが起こると犬に覚えさせます。
アイコンタクトの教え方は、愛犬の名前を呼び目を合わせてくれたら、その瞬間に「いい子(Good)!」と褒めます。
そうすることで次第にアイコンタクトを覚えてくれるのです。
呼んでもこちらを見ない場合には、フードやおやつなどを犬の目の前に持って行き、飼い主さんから目を合わせてあげ、目が合った瞬間に食べ物を与え褒めるを繰り返してみましょう。

「おすわり」の練習に必要なものを準びしよう!

犬に「おすわり」を教える際には、次のものを用意しておきましょう。

フードやおやつ

「おすわり」ができたときのご褒美としてフードやおやつを用意しましょう。食べ物を与え過ぎると太りやすくなるため、練習中はご褒美の分だけごはんの量を減らすようにしましょう。

リード

練習中に犬が飼い主さんのそばを離れないよう、「おすわり」を教えている間はリードをつけておき、犬があちこち動き回らないようにするのがポイントです。

「おすわり」の覚えさせ方

「おすわり」は以下のステップで教えるようにしましょう。

1.犬と向き合い真正面に座り、手元に引きつけておく

犬と真正面に座り、リードをつけて、手元に引きつけておきましょう。

2.フードやおやつなど食べ物を握った手に犬を集中させる

食べ物を手で握り、犬の鼻先に近づけてニオイをかがせます。そうすることで、犬の意識を手に集中させてください。

3.犬の鼻先が上を向くよう手を動かす

犬の意識が手に集中したら、手を犬の鼻先から頭上にそのまま動かしていきます。食べ物が頭上に向かって持ち上がると、犬のお尻は自然と床に下がっていき、おすわりの姿勢になります。

4.床にお尻がついたら食べ物を与えて褒める

犬のお尻が床に着いた瞬間にすぐに褒め言葉をかけ、ご褒美の食べ物を与えます。大げさに褒めすぎると犬が興奮して立ち上がってしまうので、おすわりの姿勢を維持していられるよう、穏やかに褒めるよう心がけましょう。

5.「1」〜「4」ができるようになったら、「2」の直前に「おすわり」と声をかける

「1」〜「4」ができるようになったら、握った手に犬の意識を集中させる直前に、「おすわり」と声をかけるようにしましょう。犬が「おすわり=床にお尻をつけることだ」と学習すると、「おすわり」の合図に反応して座るようになります。

※トレーニングを続けると、犬は「おすわり」をすると嬉しいことがあると学習し、自ら「おすわり」の姿勢をとることがあります。また、練習時間以外でも、犬が偶然「おすわり」の姿勢になることがあるはずです。このような時にも、褒め言葉をかけてあげると、「おすわり」を早く覚えてくれるでしょう。

犬が「おすわり」がうまくできないときの対処法や対策

ここでは、犬が「おすわり」がうまくできないときによくあるお悩み別の対処法や対策をご紹介します。

グーの手を上げて座らせようとしても「おすわり」ができません

フードやおやつが犬から離れすぎたり、食べ物だけ速く動いたりしないよう、犬の鼻先が食べ物についてくるのを確認しながら、食べ物を動かします。
また、後ずさりしてしまっておすわりしない場合には、犬のお尻に手を添えて下がらないようにするか、壁などを利用して後ずさりを止めましょう。

犬が手に飛びついたり興奮してしまいます

もしも、犬が立ち上がったり、飛びついたり興奮してしまうときは、そのまま無理に練習を続けることはやめましょう。この場合には、引っ張りっこ遊びなどで、体力を少し発散させてから、改めて練習するなど工夫することがポイントです。
また、犬が飛びつけないくらい高い位置に手を上げ、犬が手に届かないと諦めて「おすわり」をした瞬間に食べ物を与えて褒める方法も試してみてください。

ご褒美のフードやおやつがないと「おすわり」ができません

食べ物に代わるご褒美として、『たくさん褒める』『お気に入りのおもちゃを与える』など、他のご褒美を用意してあげましょう。その上で、食べ物を持っているか、持っていないかわからないように手をグーにしながら、おすわりの練習を繰り返してみてください。

食事やおやつの前しか「おすわり」ができません

「おすわり」を覚えたのに、食事やおやつの前しかできないなどといったこともあります。そうならないために、時間帯や場所、指示を出す人をかえて練習し、色々な状況で「おすわり」ができるようになりましょう。

家の外での「おすわり」ができません

外は犬にとって刺激が多く、意識を集中させにくい環境です。まずは、家の中でも外に近い、窓際や玄関など刺激の少ない場所から練習し、次いで家を出てすぐの場所で人や車が通っていないときに練習して徐々に慣らしていきましょう。
そして、家から少し離れた静かな場所、続いて、人も車もやや通る場所で練習するなど、段階を踏んでいくのがおすすめです。

最後に

人と犬が一緒に暮らしていく上で、「おすわり」は非常に重要なしつけのため、子犬の頃からしっかりと覚えさせましょう。
「おすわり」を覚えるまでに時間がかかってしまう子もいますが、飼い主さんは焦らず気長に愛犬のペースに合わせ、楽しみながら練習してあげてください。

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