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犬はトウモロコシ(スイートコーン)を食べても大丈夫!注意点を解説

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ドッグフードでも原材料としてよく見かけるトウモロコシ。
トウモロコシは穀物類に分類されますが、愛犬家であれば「犬にとって穀物類は消化に悪い」と一度は聞いたことがあるかもしれません。今回はそんなトウモロコシを与えていいのか?また、注意点などについて詳しく紹介していきます。

犬にトウモロコシを食べさせても大丈夫?

答えは「大丈夫」です。
前提として茹でる(加熱する)、芯を与えないことです。
その他にも注意点がありますので本記事にて解説します。

トウモロコシとスイートコーンの違い

スイートコーンはトウモロコシの品種の一つで甘みが強く、主に食用に使用されているのはこのスイートコーンです。
スーパーなどでよく見かける缶詰タイプはスイートコーンを使用することがほとんどで、砂糖を使っていないのにとても甘みを感じます。
スイートコーンは野菜ではありますがフルーツ並みの糖度があるため、カロリーが高いと言った特徴もあります。

トウモロコシに含まれる栄養・成分とは?

※左右にスライドできます。
食材名エネルギー水分タンパク質脂質炭水化物灰分食塩ナトリウムカリウムカルシウムマグネシウムリン亜鉛コレステロール
スイートコーン/生89kcal77.1g3.6g1.7g16.8g0.8g--290mg3mg37mg100mg1mg-
スイートコーン/ゆで95kcal75.4g3.5g1.7g18.6g0.8g--290mg5mg38mg100mg1mg-
※上記は100gあたりの成分となります。※参考:文部科学省食品成分データベース

タンパク質

タンパク質は、ワンちゃんの体を構成する重要な栄養素の一つです。筋肉や皮膚、内臓、被毛、血液など、ワンちゃんの体のさまざまな部分を形成するために役立ちます。

炭水化物

トウモロコシの主成分は炭水化物です。水分の次に多い成分になります。炭水化物は、ワンちゃんの体に、エネルギーを供給して疲労回復を助けるのに適しています。
炭水化物は犬にとって必須の栄養素ではないと言われることもありますが、エネルギー源となるためとても重要な栄養素です。

ビタミン群

トウモロコシには、いろいろな種類のビタミンが含まれています。ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンCなどです。
ビタミンB群のビタミンB1は、酵素を働かせるために必要です。ワンちゃんが摂取した糖質は、この酵素の働きでエネルギーに変わります。
ビタミンCは、ワンちゃんの体にいろいろな良い影響をもたらします。コラーゲンを作るのを助けたり、鉄をうまく吸収できるようにしたりします。老化の原因となる有害な物質を取り除く効果が期待できます。

ミネラル

ミネラルの種類には、マグネシウム、カルシウム、カリウム、リン、鉄などがあります。
ミネラルの中でも、トウモロコシに含有量が多いのが、カリウムです。カリウムは、ワンちゃんの体内からナトリウムを排除する働きがあります。その結果、血圧が低下し、むくみも防止されます。

トウモロコシを与えるメリット

トウモロコシをワンちゃんに与えることでのメリットは以下です。

健康と老化防止の栄養源

トウモロコシには、良質なタンパク質が含まれています。これは、ワンちゃんの健康的な筋肉の成長と維持に役立つものです。
また、抗酸化物質が豊富で、老化の原因となる活性酸素から体を守る働きがあります。さらに、リノール酸などの必須脂肪酸が含まれており、健康的な皮膚と被毛を保つのに重要な役割を果たします。

カリウムによる老廃物の排出サポート

カリウムには細胞内液の浸透圧を一定に保つ役割があります。そのほかにも神経伝達、筋肉収縮など体の生命維持に必要な機能をサポートしてくれます。また、余分なナトリウムや水分を排泄し調整してくれる効果があります。

食物繊維による腸内環境の改善

トウモロコシは不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方をバランスよく含みます。
不溶性食物繊維は腸の中で水分を吸い込んで膨らみ、腸を刺激することで便通を促して便秘の解消に役立ちます。
水溶性食物繊維は、水に溶けやすく、水に溶けるとゼリー状になります。うんちを柔らかくしたり腸内善玉菌を増やして排便を促す効果が期待できます。

トウモロコシを与えるときの注意点

トウモロコシの芯は、絶対に与えない

トウモロコシの芯は非常に硬いです。そのため、ワンちゃんが誤って飲み込むと窒息や腸閉塞の危険があります。
ワンちゃんに、トウモロコシの芯は絶対に与えてはいけません。トウモロコシを与える際は、芯を完全に取り除いてから与える必要があります。

生のトウモロコシは、絶対に与えない

トウモロコシの皮は非常に硬く消化に悪いです。
そのため、必ず蒸したり、茹でたりと加熱したものを与えましょう。
尚且つ、加熱後は人肌になるまで冷ましてから与えましょう。

調味料は、不使用は避ける

塩、バター、ガーリック、オニオンなどの調味料が入っているトウモロコシは、ワンちゃんの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの調味料は、ワンちゃんに有害な成分が含まれている可能性があるからです。
そのため、ポップコーンなどのトウモロコシの加工品は、避けましょう。

缶詰のトウモロコシには、注意が必要

缶詰のトウモロコシは手軽に与えることができます。
ただ、甘さを際立たせるために塩分を加えていることがありますので避けた方がいいでしょう。

食物アレルギーがないことを確認する

稀にトウモロコシに食物アレルギーを示す子がいます。
トウモロコシに食物アレルギーがある場合は避けましょう。また、小麦にアレルギーのあるワンちゃんも注意が必要です。食物アレルギーは基本的にタンパク質に反応しますが、このタンパク質の構造が似ている場合は違う食材でもアレルギー反応を示す場合があります。この関連性のことを交差抗原性と言います。
小麦とトウモロコシは交差抗原性が高いため、共通してアレルギー症状を起こすこともあります。
まずは少量から与えてみてアレルギー症状が出ていないかと観察するといいでしょう。

適切な量を与える

「とうもろこし」は炭水化物が多いためカロリーが高い食品です。過剰に与えると肥満の原因になる可能性があります。適切な量を与え、運動も心がけることが大切です。肥満はさまざまな健康問題を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

与えていいのはどのくらいの量ですか?

ワンちゃんのおやつの適正量は1日の総摂取カロリーに対して10%程度が推奨されています。
成犬(普通体型)の場合で1日に必要な摂取カロリーの10%を与えた場合は以下です。

愛犬の体重が5kg 約30g
愛犬の体重が10kg程度 約65g
愛犬の体重が20kg程度 約105g → 約80gまで

上記はあくまで単純に総摂取カロリーの10%とした場合の目安です。
大きな犬になればなるほど、トウモロコシだけで総摂取カロリーの10%を賄うのは難しいでしょう。特に愛犬が20kgの場合の総摂取カロリーの10%は、はごろもフーズの缶詰をほぼ1缶、与えることになります。
体重が40kgの女性と比較してみると、おやつとして、はごろもフーズの缶詰を2缶を食べていることになります。さすがに多いと言えるでしょう。
おやつの摂取量の目安は・・・

  • 1日の総摂取カロリーの10%
  • 自分の体重に置き換えてみる

この二つを目安に与えましょう。
総摂取カロリーの10%を与えると膨大な量になると言った場合は人間の体重に置き換えてみて感覚的に、適切と思える量を与えましょう。
スイートコーンの場合は80gくらいまでを上限として与え、おやつの量が足らないという場合は他のおやつで賄ってあげるといいでしょう。
※グレート・デーンなどの人間よりも大きな超大型犬はこの限りではありません。

トウモロコシの与え方

トウモロコシは茹でる、電子レンジ、蒸すなど加熱して与えるようにしましょう。
茹でる場合は、塩や調味料を加えずに、清潔な水で3〜5分ほど茹でます。電子レンジの場合は、トウモロコシを皿に並べて、ラップをかけて4〜5分ほど加熱します。
加熱後は十分に冷まし、必ず芯から外して、粒だけを与えましょう。

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