犬暮らし

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フラットコーテッド・レトリーバーは飼いやすい?特徴や賢さ、罹りやすい病気などを徹底解説

今回はフラットコーテッド・レトリーバーの特徴、飼いやすさ、散歩の量や頻度、罹りやすい病気、月の食事代などについてまとめました。

目次

フラットコーテッド・レトリーバーの特徴とは?

フラットコーテッド・レトリーバーは比較的最近生まれた犬種です。滑らかで、艶のある長めのストレートから「フラットコート」と言われていることが名前の由来です。ゴールデンレトリーバーによく似ていますが、ゴールデンレトリーバーのようなゴールドの色合いの毛色ではなく、通常はブラックかブラウンのみです。1800年代半ばに、ニュージーランドからイギリスに輸入され、その愛嬌のある見た目と性格から、イギリスで最も人気のあるレトリーバーとなりました。しかし、世界大戦中にその数はかなり減少し、現代では珍しい犬種となっています。祖先はラブラドール・レトリーバーやカーリーコーテッド・レトリーバーと言われています。

性格はとてもエネルギッシュで陽気な性格で、子どもからお年寄りまでどの世代からも親しまれる犬種です。とてもフレンドリーで明るい性格で、他の犬種とも仲良くすることができます。運動も大好きで、十分な散歩が必要になります。そしてもう一つ大好きなのが、水泳です。フラットコートレトリーバーは、泳ぐのが大得意です。運動が大好きな犬種のため、十分な運動ができないと問題行動に繋がります。毎日の運動や自由に遊ぶことのできる環境が必要です。また、ラブラドール・レトリーバーのようにとても賢い犬種でトレーニングをすることで社会性を育てることができます。繊細な性格の犬種で、厳しすぎるトレーニング内容では落ち込んでしまうため、トレーニング中もなるべく褒めてポジティブにしてあげることが大切です。

一人の時間が嫌いで、人との時間を大切にする犬種です。長い時間のお留守番は苦手なため、注意が必要です。社交的で知的なため、家庭のペットだけではなく、セラピー犬、狩猟など様々な場所で活躍しています。
また、フラットコーテッド・レトリーバーは「ピーターパン」と呼ばれています。他の犬種よりもゆっくりと時間をかけて大人になり、子犬のように活発で無邪気な期間が長いからです。そのため、とてもエネルギーに溢れており、人を飽きさせません。

日本国内における、一般社団法人ジャパンケネルクラブの犬種別登録件数は308頭、134犬種中第39位となっています。
参考:https://www.jkc.or.jp/archives/enrollment/24042

サイズ 大型犬
体高 55〜60cm
体重 27〜31kg
毛色 ブラック、ブラウン、ブルー、フォーン、レッド、ホワイト、クリーム
原産地 イングランド
平均寿命 8〜10年
知能 とても賢い
吠え ほとんど吠えない

フラットコーテッド・レトリーバーは飼いやすい?

温厚で人を喜ばせることが大好き、知能もとても高いため、サイズの面が問題なければ飼いやすい犬種です。

必要な散歩量はどのくらい?

1日2回各30〜60分程度の散歩が最適です。
子犬(成長期)の場合は激しい運動をすると発達中の関節を痛めてしまうことがありますので、距離や時間の調整、柔らかい芝生を歩かせるなど気を配る必要があります。
おおよそ12〜18ヶ月で体は成長が完了しますのでそれまでは愛犬の様子を見ながら適切な散歩量、強度を見極めましょう。
関節の病気に罹りやすい犬種なので愛犬に合わせて適切な距離を探しましょう。

賢いですか?

フラットコーテッド・レトリーバーはラブラドール・レトリバーのようにとても賢い犬種です。
コロンビア大学の博士号を取得したスタンリー・コレン氏が発表した研究結果である犬の知能ランクによるとは141犬種の中で20位となっています。
詳しくは「賢い犬ランキング、総勢141犬種を紹介!犬の知能テスト方法も紹介します!」をご覧ください。

どんな性格?

人が大好きで、従順。また、他の犬とも仲良くできる優しい性格を持っています。
家族への愛情も深く、常に一緒にいることを好みます。
そのため、一人での留守番は苦手なため、長く留守にしてしまう飼い主には不向きな犬種です。

しつけやすいですか?

人を喜ばせることや、褒めるれることをとても好み、とても賢い犬種のためしつけしやすいです。

吠えやすい?吠えにくい?

育った環境やしつけにもよりますがほとんど吠えないでしょう。

抜け毛は多い?少ない?

犬の被毛には以下の2種類あります。

  • 皮膚を守るための太くて硬い毛質のオーバーコート(上毛)
  • 体の皮膚に近い側にある綿毛のような体温調節を司るアンダーコート(下毛)

上記の二つを持つ犬をダブルコート、アンダーコートのない犬がシングルコートと呼ばれます。
犬の抜け毛は主にアンダーコートが抜けるためダブルコートの犬種は抜け毛が多い犬種になります。
フラットコーテッド・レトリーバーはシングルコートと勘違いされることが多いですがダブルコートの被毛を持っています。
そのため、換毛期の春(5〜7月)と秋(9〜11月)は抜け毛が増える傾向があります。

ブラッシングの頻度は?

週3回を目安に行いましょう。
ブラッシングは被毛だけでなく、皮膚の血行促進効果もあるので、可能であれば毎日行うのがおすすめです。

フラットコーテッド・レトリーバーが罹りやすい病気とは?

フラットコーテッド・レトリーバーが罹りやすい病気には以下のようなものがあります。

股関節形成不全

主に遺伝性の疾患で、股関節を形成している骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)と、大腿骨の噛み合わせが悪くなる病気です。
大型犬に多く、フラットコーテッド・レトリーバーにはよく見られる病気です。
症状としては・・・

  • 腰を左右に振りながら歩く
  • 足の動きが不自然
  • 散歩を嫌がる
  • 階段などの段差を嫌がる

・・・などがあります。
治療法は基本的には体重管理、抗炎症薬や鎮痛剤やサプリメントなどの投薬、レーザー療法などの保存療法を行います。
保存療法で改善が見られない場合は手術などの外科的治療となります。

肘関節形成不全

遺伝的な要因が高いとされ、股関節形成不全と同様にフラットコーテッド・レトリーバーで多く見られる症状です。
成長期に発症することが多く、体の成長速度や運動量の増加などによって、関節の設置面の不具合により痛みが発生します。
放っておくと変形性関節症(骨関節炎)などを発症することがあるので注意が必要です。
治療法は基本的には体重管理、抗炎症薬や鎮痛剤やサプリメントなどの投薬になります。
保存療法で改善が見られない場合は手術などの外科的治療となります。

耳の感染症

フラットコーテッド・レトリーバーの特徴でもある垂れ耳は湿気や汚れが溜まりやすく、細菌が繁殖しやすい環境が整っています。
そのため、外耳炎などを多く発症してしまいます。
症状としては・・・・

  • 首を振る
  • 耳を足で掻く
  • 匂いがきつい
  • 耳垢が溜まっている
  • 皮膚の赤みや炎症

・・・などです。
予防法としてはとにかく耳を清潔に保つことです。
シャンプーや水遊びをさせたあとは必ず耳が乾いているかを確認しましょう。
また、定期的な耳の掃除や炎症などがないかを確認しましょう。
動物病院での治療は点耳薬、洗浄などが主になります。
ひどい場合は抗菌薬の投薬などですが、再発しやすい病気なので日頃から清潔に保つことが必要です。

ガン(悪性腫瘍)

フラットコーテッド・レトリーバーは寿命がとても短い犬種です。
中でも多いのはガンです。ガンの罹患率は他の犬種と比べても高い傾向があります。
特に多いのが血管肉腫(血管内側の細胞に発生したもの)、骨肉腫、肥満細胞腫です。
上記のうち、血管肉腫、骨肉腫は病気の進行が早く完治しずらい病気です。
肥満細胞腫の場合は外科手術によって完治することもありますが、悪性度が高いものは転移や再発する場合があるため、余命は短くなってしまいます。
骨肉腫、肥満細胞腫は体表に腫脹、または歩行不良などで気づくこともありますが、血管肉腫は初期症状があまりなく、元気がなかったり、食欲がないことで気づくことが多いですが、すでに病気が進んでいることが多いです。
治療法は抗がん剤、手術などの外科治療、放射線治療になります。

フラットコーテッド・レトリーバーのドッグフードの選び方とは?

フラットコーテッド・レトリーバーのドッグフードの選び方をまとめました。

大型犬に多い悩みである関節に配慮した成分

グルコサミンやコンドロイチンなどの関節に効果のある成分を含むドッグフードを選びましょう。
具体的には原材料に緑イ貝などが含まれるドッグフードがオススメです。

免疫力を高める食事

ガンの罹患率が多いフラットコーテッド・レトリーバーには免疫力の維持・向上が予防になるかもしれません。
具体的な食材として以下です。

腸内環境を整える

免疫機能の多くは腸に集まっています。
そのため、腸内環境を維持することで免疫力の向上が期待できます。
乳酸菌、オリゴ糖などが含まれるドッグフードがおすすめです。

血液を健康な状態に保つ

DHA、EPAを多く含む青魚は、免疫力アップや血液を健康に保つ効果が期待でき、がんの予防につながるとされています。

皮膚と被毛を健康に役立つ成分

必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6が適度に含まれるフードがおすすめです。
これらの必須脂肪酸は皮膚の水分保持を助けてくれます。
また、天然由来の亜鉛やビタミンEなどもおすすめです。
亜鉛は被毛を構成するタンパク質であるケラチンの生成を助けます。
美しい被毛を維持するために一役買ってくれます。
ビタミンEは強力な抗酸化作用があります。

アレルギーケアに新奇タンパク質&グレインフリー

アレルギー対策に新奇タンパク質&グレインフリーがおすすめです。
新奇タンパク質は愛犬が今までに食べたことがないタンパク質のことで免疫の過剰反応によるアレルギー反応がでづらいといった特徴があります。具体的な食材としては鹿肉、ラム肉、魚、カンガルー、ウサギなどです。

価格も大事

30キロくらいのフラットコーテッド・レトリーバーになってくると月に必要なドッグフードは12kgほどになります。
そのため、価格のことも考慮する必要もあります。
大容量のパッケージを扱っているドッグフードだと内容のいいものを低価格で購入できるのでおすすめです。

サイズは中粒〜がおすすめ

まずは中粒サイズを与えてみましょう。
愛犬の様子を見ながら最適なサイズを見極めましょう。

フラットコーテッド・レトリーバーにオススメのドッグフードとは?

フラットコーテッド・レトリーバーの罹りやすい病気などを参考にドッグフードを選びました。

ACANA

プレミアムペットフードの定番、アカナです。
その中でもおすすめは、「パシフィカドッグ」「クラシック・レッドミートレシピ」です。

商品名おすすめ度価格(1kg)ショップ
アカナ(ACANA) 「パシフィカドッグ」
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アカナ「クラシック・レッドミートレシピ」
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良質なタンパク源

良質な動物性タンパク質がパシフィカドッグは70%以上(タンパク質35%以上)、クラシック・レッドミートレシピは50%以上(タンパク質29%以上)使用されています。
フラットコーテッド・レトリーバーの筋力維持に最適なタンパク質量です。

低アレルギー原材料

「パシフィカドッグ」は魚、「クラシック・レッドミートレシピ」はラム肉が第一主原料のドッグフードです。
いずれも低アレルゲンな原材料です。

クラシック・レッドミートレシピのメリット

「クラシック・レッドミートレシピ」に含まれるラム肉はビタミンB12、亜鉛などが含まれます。
ビタミンB12には細胞分裂を促進し、肌の新陳代謝を改善する働きがあります。
亜鉛はタンパク質の合成に関わり不足すると皮膚炎などのトラブルが起きやすくなります。
フラットコーテッド・レトリーバーの皮膚の健康を保つのに最適です。

パシフィカドッグ

「パシフィカドッグ」は天然ニシン、イワシ、カレイ、シルバーヘイク、メバルなどの魚肉が使用されていてグレインフリー(穀物不使用)。
必須脂肪酸であるオメガ3が豊富なため、美しい被毛と皮膚の健康維持を役立ってくれます。

「低価格」Nutro ナチュラルチョイス ラム&玄米 13.5kg

ニュートロは自然素材、栄養バランス、品質、美味しさにこだわっている、2026年に100周年を迎える大手ドッグフードメーカーです。
豊富なラインナップの中でもおすすめはラム&玄米です。

商品名おすすめ度価格(1kg)ショップ
ナチュラルチョイス「ラム&玄米・ 中型~大型・成犬用」
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低価格&大容量パッケージ

ナチュラルチョイスは2kg、4kg、7.5kg、13.5kgと豊富なパッケージが用意されています。
amazonの場合だと2kgのパッケージは1,500円/kgを超えてしまいますが、13.5kgのパッケージになってくると1,100円/kgほどまで価格が下がってきます。フードの内容もよく、コスパ抜群のドッグフードです。

低アレルギー原材料

Nutro ナチュラルチョイス ラム&玄米は、第一主原料にアレルゲンになりづらい、ラム肉を使用しています。
玄米やオートミールなどがバランスよく含まれていて、消化吸収に配慮されています。

皮膚の健康維持

ラム肉はビタミンB12、亜鉛などが含まれます。
ビタミンB12には細胞分裂を促進し、肌の新陳代謝を改善する働きがあります。
亜鉛はタンパク質の合成に関わり不足すると皮膚炎などのトラブルが起きやすくなります。
また原材料の亜麻仁はオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)とオメガ6脂肪酸をバランスよく含むため、フラットコーテッド・レトリーバーの健康な皮膚の維持と美しい被毛を作り出すことに適しています。

関節のケアにグルコサミンとコンドロイチン

関節軟骨を強化するグルコサミン・コンドロイチンが含まれています。
関節の悩みの多いフラットコーテッド・レトリーバーには最適です。

フラットコーテッド・レトリーバーの1ヶ月の食事代は?

フラットコーテッド・レトリーバーの1ヶ月の食事代は24,600円程度が目安です。
以下の条件で想定しました。

ドッグフードの価格 = 2,000円/1kg
ドッグフードのカロリー = 350kcal
犬の体重 = 30kg(標準体型)
犬の年齢 = 5歳(避妊・去勢済み)

1日に必要なカロリーは1436kcal、1日に必要なドッグフードは410g(月12.3kg)です。
必要なドッグフードの量は自動計算で簡単に確認できます。

※上記はあくまで参考値になり、ドッグフードの価格、おやつ、トッピングなどで変動します。

ドッグフードの評価一覧