犬暮らし

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暑さに強い犬種7選

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まず前提として、どの犬種も暑さには弱いです。

犬は人間とは違い汗腺が足の裏や鼻先などの一部にしか存在しないので汗をかいて体温調整をすることができません。その代わりに、口を開けてハッハッハと浅く早い呼吸(パンティング)で体温を調整していますがそれだけでは人間と同じようには体温を一定に保つことはできないのです。
今回はそんな犬達の中で比較的、暑さに強い犬種を紹介します。

暑さに「比較的」強い犬の特徴

前提として犬は暑さに弱いということを知ったうえで「比較的」暑さに強い犬の特徴を紹介します。

マズル(目元から鼻先までの出っ張り)が長い犬種

マズルと言われる目元から鼻先までの出っ張りが長い犬種は構造上、パンティング(口を開けて浅く早い呼吸)は口を大きく開けやすく、放熱しやすい傾向があります。

被毛が短い犬種

犬は全身が被毛に包まれています。
この被毛が短ければその分、体温がこもりにくく、比較的、暑さに強い傾向があります。

シングルコートの犬種

犬の被毛には以下の2種類あります。

  • 皮膚を守るための太くて硬い毛質のオーバーコート(上毛)
  • 体の皮膚に近い側にある綿毛のような体温調節を司るアンダーコート(下毛)

上記の二つを持つ犬をダブルコート、アンダーコートのない犬がシングルコートと呼ばれます。
シングルコートの犬は被毛の密度が低いので熱がこもりにくく、暑さに比較的強いです。

シングルコートの人気の犬種

トイプードル、マルチーズ、パピヨン、シーズー、ヨークシャテリア、ミニチュアピンシャー、マルチーズ

暑さに比較的、強い犬種の一覧

柴犬

日本を原産とする柴犬は、日本国内だけでなく、海外でも愛されています。
顔立ちは丸っこい輪郭に狐のような目、三角立った耳で愛らしい外見をしています。
性格は独立心が高く、頑固な面を持ちながらも、飼い主や家族には愛情深く、忠誠心が高いです。
少し、警戒心が高く、初めて会う人や動物には臆病になったり、攻撃的になることもあります。
日本原産のため、日本の気候に順応できる犬種です。
一般社団法人ジャパンケネルクラブの日本における犬種別登録件数は9千頭近くで137犬種中、第9位となっており、その人気の高さがわかります。
柴犬の暑さへの耐性ですが日本原産ということもあり、日本の気候に順応した犬種のため多くの犬種の中では比較的、暑さに強い方とされています。

サイズ 小型〜中型
体高
  • オス = 体高38〜41cm程度
  • メス=体高35〜38cm程度
体重 7〜12kg前後
毛色
  • 黒褐色
  • 胡麻
  • 赤胡麻
  • 黒胡麻
原産地 日本
平均寿命 12歳から15歳
知能 低〜中程度
吠え 吠えやすい

柴犬の詳しい説明はこちら

ビーグル

ビーグルは大きく垂れ下がった耳と、黒、茶色、白など被毛が交わった小型犬です。
日本でも有名なスヌーピーのモデルとなった犬種です。
原産国はイギリスで、嗅覚がとても優れているとされ、16世紀ごろにはウサギやキツネなどの小動物を追跡し、狩る猟犬として活躍していました。
その後、北米で広く認知されるようになり、1885年にアメリカのケネルクラブで正式な犬種として求められました。
現在でも猟犬として活躍していますが、その愛らしさから愛玩犬としても広く飼われています。
日本でもよく見かけるビーグルは一般社団法人ジャパンケネルクラブの日本における犬種別登録件数は2092頭で134犬種中、第26位となっています。
ビーグルの暑さへの耐性ですが、被毛はダブルコートの犬種ですが、短毛であるため、通気性が高かく、比較的、暑さに強い方とされています。また、冬にはアンダーコートが生えてきますのでシングルコートの犬種よりも寒さ対策ができていると言えます。
ただ、アンダーコートは熱を蓄えやすいため、湿気が高い環境では熱がこもってしまい熱中症を引き起こしやすくなります。加えて、季節の変わり目にはブラッシングをしっかり行わないと冬毛が抜けないまま夏を迎えてしまいますので、これも熱中症の原因になります。

サイズ 小型〜中型犬
体高 34〜40cm
体重 10〜15kg
毛色 ブラック&レッドホワイト、ホワイト&タンなど
原産地 イギリス
平均寿命 10~15歳程度
知能 低い(賢いとも言われる)
吠え 吠えやすい

ビーグルの詳しい説明はこちら

イタリアン・グレーハウンド

イタリアン・グレイハウンドは短い被毛と細く長い足と、長い首をもつ特徴的な犬種です。
その歴史は古く、現在のトルコやギリシャに位置する2000年以上前の古代遺跡から出土した装飾品には小型のグレイハウンドが描かれていたり、骨やミイラなどが発見されています。
中世には南ヨーロッパに渡り、イタリアの貴族にとても人気があったことから、イタリアン・グレイハウンドという名前が付けられました。
やがてヨーロッパ全土に広がり、愛玩動物として広く飼われるようになり、小型化がなされ、現在のイタリアン・グレイハウンドになりました。
日本でも2003年ごろから飼育頭数が増え、現在では散歩でもよく見かけるようになりました。
一般社団法人ジャパンケネルクラブの日本における犬種別登録件数は三千頭近くで134犬種中、第20位となっています。
イタリアン・グレイハウンドの暑さへの耐性ですが、被毛はシングルコートの犬種、尚且つ短毛であるため、通気性が高かく、比較的、暑さに強い方とされています。
ただ、被毛が少ないため直射日光にはめっぽう弱いので注意が必要です。

サイズ 小型犬
体高 33~38cm程度
体重 3~5㎏
毛色 ブラック、グレー、ブラウンなど多数あり
原産地 イタリア
平均寿命 14~15歳程度
知能 あまり賢くない
吠え 吠えにくい

イタリアン・グレイハウンドの詳しい説明はこちら

ダルメシアン

ダルメシアンは美しい斑点模様としなやかな体が特徴の犬種です。
とても有名な映画の101匹わんちゃんのモデルです。
その起源はわかっていませんが、とても古い犬種と考えられていて、古代エジプトの紀元前1991〜1783年ごろと思われるクイという男性の棺にダルメシアンと見られる犬の装飾がされていることが確認されています。
また、この斑点のある犬の絵は古代エジプトの壁画や大貴族の墓の装飾にも描かれています。
古代エジプト以外にも斑点模様のある犬種はヨーロッパ、アジア、アフリカなどでも記録があるため、遊牧民とともに多くの大陸を移動したと考える方もいるようです。
名前の由来はクロアチアのダルマチア地方のアドリア海沿岸地域が由来とされています。
抜群の運動神経とスタミナを誇り、知能も高いことから、軍用犬やハンター、また、馬車と共に数十キロもの距離を走る護衛犬としても活躍していました。
そんなダルメシアンですが日本ではあまり見かけることはありません。
一般社団法人ジャパンケネルクラブの日本における犬種別登録件数はわずか264頭で134犬種中、第41位となっています。
ダルメシアンの暑さへの耐性ですが、被毛はシングルコートの犬種、尚且つ短毛であるため、通気性が高かく、比較的、暑さに強い方とされています。
ただ、被毛が少ないため直射日光にはめっぽう弱いので注意が必要です。

サイズ 大型犬
体高 54〜60cm
体重 24〜32kg
毛色 ホワイト&ブラック、ホワイト&レバーなど
原産地 クロアチア・ダルメシア地方
平均寿命 10~14歳程度
知能 賢い
吠え 吠えにくい

ダルメシアンの詳しい説明はこちら

ジャック・ラッセル・テリア

ジャック・ラッセル・テリアは、19世紀中頃にイギリスのデヴォン州(デヴォンシャー)でキツネを狩る猟犬として活躍していました。
その祖先にはブル・テリアとビーグルを持つとされています。
巣穴にも入り込める低い背に、キツネを巣穴から引っ張り出すための長く筋肉質な体型はキツネ狩りに特化しています。
現在は愛玩動物として世界中で飼われています、気質は勇猛果敢で猟犬として高い適性を持っています。
日本でも広く飼われており一般社団法人ジャパンケネルクラブの日本における犬種別登録件数は3,500頭程度で137犬種中、第17位となっています。
ジャック・ラッセル・テリアの暑さへの耐性ですが、被毛は分厚いアンダーコートを持つダブルコートの犬種のため暑さに耐性がないと思われがちですが、短毛であることに加え猟犬として炎天下の下で獲物を追っていたため、比較的、暑さに強い方とされています。
ただ、アンダーコートは熱を蓄えやすいため、湿気が高い環境では熱がこもってしまい熱中症を引き起こしやすくなります。加えて、季節の変わり目にはブラッシングをしっかり行わないと冬毛が抜けないまま夏を迎えてしまいますので、これも熱中症の原因になります。

サイズ 小型犬
体高 33〜36cm程度
体重 6〜8kg前後
毛色 ホワイト&タン・ホワイト&ブラック・ホワイトなど
原産地 イギリス
平均寿命 13~15歳程度
知能 中程度
吠え 吠えやすい

ジャック・ラッセル・テリアの詳しい説明はこちら

ワイマラナー

ワイマラナーはドイツが原産の犬種です。
「グレー・ゴースト」(灰色の幽霊)とも呼ばれている、つややかなグレーの美しい毛並みが特徴のワイマラナー。
原産地のドイツ、ワイマール地方の密林でクマ、イノシシなどの大型動物を狩る狩猟犬として誕生しました。
追跡能力、敏捷性、並外れたスタミナに加え、勇猛果敢な気質と高い知能を兼ね備えています。
ワイマラナーはドイツの愛好家がこれらの特性を保つために、少数で繁殖を続けてきました。
1920年代にはアメリカに渡り、1940年代頃には広く飼われるようになり、1943年にアメリカのケネルクラブで正式に犬種として認められました。
現代でもワイマラナーはドイツで狩猟犬として活躍していますが、その多彩な能力でドッグスポーツでも活躍しています。
日本でもたまに見かけますが、日本国内の飼育頭数は決して多くはありません。
一般社団法人ジャパンケネルクラブの日本における犬種別登録件数はわずか238頭で134犬種中、第43位となっています。
ワイマラナーの暑さへの耐性ですが、被毛はシングルコートの犬種、尚且つ短毛であるため、通気性が高かく、比較的、暑さに強い方とされています。
ただ、被毛が少ないため直射日光にはめっぽう弱いので注意が必要です。

サイズ 大型犬
体高 58〜68cm
体重 25〜40kg
毛色 ブルー、グレイ、シルバーグレイ
原産地 ドイツ
平均寿命 10~13歳程度
知能 賢い
吠え 中程度

ワイマラナーの詳しい説明はこちら

バセンジー

ピンとたった耳にしわのある頭、スマートで筋肉質な体、短く滑らかな被毛が特徴的なバセンジーは中央アフリカが原産の犬種です。
猟犬として活躍していたバセンジーは鋭い嗅覚と高い視力、を持っています。
匂いを嗅ぎ追跡することを好み、好奇心旺盛で活発、敏捷性も高いためとても脱走・徘徊しやすいところがあります。
吠えない犬とされていますが決して静かな犬ではなく、ヨーデルのような鳴き声を上げる独特な犬種です。
多くの犬種の中でも頑固で意思が強いためしつけにはとても労力を要します。
日本での飼育頭数は少なく一般社団法人ジャパンケネルクラブの日本における犬種別登録件数はわずか46頭で134犬種中、第46位となっています。
バセンジーの暑さへの耐性ですが、被毛はシングルコートの犬種、尚且つ短毛であるため、通気性が高かく、比較的、暑さに強い方とされています。
ただ、被毛が少ないため直射日光にはめっぽう弱いので注意が必要です。

サイズ 中型犬
体高 40〜43cm
体重 9〜12kg
毛色 ブラック&ホワイト、レッド&ホワイト、ブラック&タン&ホワイトなど
原産地 中央アフリカ
平均寿命 10~12歳程度
知能 中程度
吠え 吠えやすい

バセンジーの詳しい説明はこちら

まとめ

比較的暑さに強い犬を紹介しました。
気をつけて欲しいのは暑さに強い犬は基本的にいません。
犬自体は暑さに弱いので温度管理などはしっかり行いましょう。

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