
ワンちゃんの耳掃除は、耳の中を清潔に保つことで外耳炎の予防になります。ただし、全ての犬に必ず必要というわけではなく、必要に応じて適切な方法でケアをすることが大切です。間違った方法で耳掃除をしてしまうと、逆に耳のトラブルを引き起こしてしまいます。
今回の記事では、自宅で簡単にできるワンちゃんの耳掃除のやり方や頻度、耳掃除が必要なケース、耳の病気にかかりやすい犬種について解説していきます。
目次
犬の耳掃除のやり方
まずは、基本的な犬の耳掃除のやり方を解説します。
今回紹介するのは、とても簡単で自宅で手軽に行える方法です。
もし外耳炎などの耳のトラブルがあり、獣医師から自宅での耳掃除を指示されている場合は獣医師の指示に従うようにしてください。
準備するもの
- イヤーローション(犬用の耳洗浄液)
- コットン
コットン数枚を耳洗浄液にしみこませる
洗浄液のしみこんだコットンが冷たいと、ワンちゃんが驚いてしまうので人肌程度に温めておくといいでしょう。
耳の内側と穴まわりをコットンで優しく拭き取る
コットンを耳の内側に優しく当てて汚れとなじませます。汚れを浮かせたら毛の流れに沿って優しく拭き取ってください。
耳の穴まわりも同様に優しく拭き取りましょう。奥まで入れずに、目に見える範囲の汚れを拭き取るだけでOKです。
コットンに汚れがつかなくなったら終了
耳掃除が終わったら愛犬をたくさん褒めてあげます。ワンちゃんのお気に入りのオヤツをご褒美としてあげるのもいいでしょう。
ワンちゃんによっては耳を触られるのを嫌がる子もいます。
スキンシップをしながら耳を触って、少しずつ慣らすようにしましょう。「耳を触らせてくれたらご褒美をあげる」を繰り返し、触られるのを嫌がらなくなってから、耳掃除を行うようにしてください。
どうしてもワンちゃんが嫌がる場合は、無理にしないで、動物病院やトリミングサロンでプロにお任せしましょう。
耳掃除をする頻度
汚れのチェックは日常的〜週1回程度、耳掃除は汚れている場合に限り月に1〜2回程度行いましょう。
耳汚れのチェックは、最低でも週1回行い、汚れがある場合はその都度、軽く拭いてあげましょう。「お散歩の後」や「夜寝る前」など、タイミングを決めて習慣にするのがおすすめです。
耳掃除は汚れに応じて、月に1〜2回程度を目安に行います。
ワンちゃんによって汚れの程度は異なり、特に汚れていなければ耳掃除をする必要はありません。
そこまで汚れていないのに、過度に耳掃除をすると、皮膚のバリア機能が弱まり、かえって耳のトラブルを引き起こす恐れがあります。
耳掃除はどんな時に必要?
特に異常がなく、あまり汚れていなければ、基本的にワンちゃんの耳掃除は必要ありません。
耳垢には、殺菌作用や耳の皮膚を保護する役割があります。
また、ワンちゃんの耳には自浄作用があり、耳垢は自然に排出されます。
そのため、前の章で紹介したように、目に見える範囲の汚れが気になったら、優しく拭き取るだけでOKです。
必要以上に耳掃除をすることで、本来持っている殺菌作用や自浄作用を阻害してしまう恐れがあります。
ただし、以下のようなワンちゃんは、定期的な耳掃除が必要です。
- 外耳炎を発症している
- 脂漏症などで分泌物が多い
- 外耳道が狭い犬種(短頭種)
- 耳垢が付きやすい(垂れ耳の犬種)
また、耳を頻繁に掻いたり、頭をブルブルと振るなどの症状がある場合は、外耳炎や耳ダニ感染症の可能性があります。
まずは動物病院で診てもらって、必要であれば耳掃除を行います。自宅でのケア方法は、獣医師の指示に従うようにしましょう。
耳の病気にかかりやすい犬種は?
基本的に立ち耳の犬種は、耳の通気性が良く蒸れにくいため、耳のトラブルはそれほど多くありません。
反対に、垂れ耳の犬種は、通気性が悪く蒸れやすいため、外耳炎などの耳の病気にかかりやすい傾向があります。
外耳炎にかかりやすい代表的な犬種は以下です。
垂れ耳ではなくても、フレンチ・ブルドッグ、ヨークシャー・テリアのような脂漏体質のワンちゃんや、ミニチュア・シュナウザーのように耳毛の多いワンちゃんも耳が汚れやすいので注意が必要です。
また、外耳炎はアレルギーやアトピーによって引き起こされるケースもあります。
アレルギー体質のワンちゃんも耳の状態をこまめにチェックするようにしてください。
アレルギーやアトピーを起こしやすい犬種は、柴犬やウエスト・ハイランド・ホワイトテリア、シー・ズーなどが挙げられます。
まとめ
ワンちゃんの耳掃除は、それぞれの耳の状態に合わせたケアを行うことが大切です。
耳垢の状態をチェックすることは、ワンちゃんの健康状態を把握することにもつながります。
耳の病気にかかりやすい犬種はもちろん、かかりにくい犬種も、日々のスキンシップを兼ねてこまめにチェックするようにしましょう。